月山

月山登山はこの旅行のメインイベントで、このために体重を10キロ落とし、トレッキングウェアやレインウェアも一式買ったのだった。天候も考え鶴岡に3日滞在した。しかし、台風の影響で4日ずっと曇り、しかも後になるほど天気がくずれるとか。そんなん想定してへんよー。

登山経路はオーソドックスに月山八合目と頂上を往復するというもの。駅のコンビニで庄内米のおにぎりを買い込みバス停へ。

  • 鶴岡駅前(1番)6:02→月山八合目 8:00
  • 月山八合目 16:00→鶴岡駅前 17:50

帰りのバスは実質1本しかない。時間に余裕はあるとはいえ絶対に負けられない戦いがそこにあった。

気温は15度ほどで風もややあるが、半そででもいい感じ。しかし天候は曇り。視界は保たれているもの全体にガスってて、眺望は期待できない。

湿原にかけられた木の廊下を20分ほど歩くと、登山口に出る。トレッキングでも初級に位置づけられていることもあり、登坂が急とうことはない。ただ如何せん登山スキルが低くて、岩場を歩くのに難渋する。杖買っとけばよかった。減量のおかげで心肺的にやばくなることがなかったのが幸いか。

途中では、遠くは晴れていて時折景色を楽しむことができたが山頂に近づくとガスが深くなる。それでも他の登山者も多いことで経路的に苦労はなく3時間で登頂することができた。

 

ちなみに最上の艦内神社である。堀のように石積みされた壁の中に神社はある。入り口の鳥居には、本国総鎮護の文字が。参拝には入り口で神主にお祓いをしてもらう必要がある。また境内は撮影禁止。山門をくぐると石造りの本殿と、狛犬に代わって左右に兎の像が建っている。周囲の石壁には、小さな摂末社が並んでいる。わからないのは本殿の裏に劇の小道具のような剣が何本も納められていた。

参拝の後社務所で悩んだ末ご朱印帳を買う。わりとこれまでご朱印帳は拒絶してきたのだけど、出羽三山、と表紙に書かれると、まあこのためだけでもいいかと。

神社を出ておにぎりを食べ、メールでも書くかとタブレットを触っていると、やおら雨が降り始めた。おそれていたとはいえ、本当に降られるとは。レインウェア買っておいてよかった。

下山は時折の雨中行軍を強いられる。9合目の山小屋では雨脚が強まりしばらく様子を見たが止むことはなく、覚悟を決めて8号目まで降りきったのだった。かかった時間は3時間半。着いたのは3時半だったのでバス発車まで余裕がなかったのだった。

無事鶴岡に戻り、夕食のため街のほうへ。しかし前日ついたときも思ったが、市内は食べるところもなければコンビニもない。唯一買い物できるのは、市内チェーンのスーパー主婦の店銀座店。その後食事をした洋食店できいたところ、車社会なのでみんな買い物は郊外のモールに行くらしい。

食事の後は町の中心にある鶴岡公園へ。元は庄内藩の鶴ヶ丘城、さらに城プロ的には大宝寺城の跡地である。そういえば、困るとほら貝をぶほおおんと吹き鳴らす悪癖を持つ大宝寺城ちゃんは修行で験力をつけてるとのことだが、月山で山伏姿で登山する人たちも神社でもほら貝を見ることはなかったですな。現代人のほら貝離れなのか、明治以降の廃仏毀釈の影響なのか。修験宗廃止令なるものもあったらしいし。

ちょうどお盆祭りである庄内大祭の宵宮とのことで、庄内神社では舞などの奉納が丁度終わり、神幸祭が始まるとのことで参加した。拝殿に並べられた3騎の神輿の前で参拝者は首を垂れる。この神輿に代々庄内藩主を務めた酒井家の、忠次、家次、忠勝のみたまを遷すいう大事な儀式である。神主の祝詞の後、しちりきをバックに、神主らの音声が続く。なんとも神秘的な一幕でした。