8/16 加茂水族館&湯田川温泉

前日からの予報の通り、台風の影響で東北全体にわたって朝から豪雨だった。鶴岡は雨脚は強かったがどうしようもないというほどでもない。しかし、列車には影響が出ていて、ほぼすべてが運休になっていた。

こんなときのために、と鶴岡近くにある加茂水族館に向かうことに。

加茂水族館は、クラゲの養殖・飼育の研究も行っている、クラゲに特化した水族館になっている。この日は、家族連れを中心に大混雑だった。

入り口に、庄内磯なるものの紹介がしてある。庄内藩では武士も含めて磯釣りが盛んで、藩主が釣りを好んだ記録が残っていたりする。「庄内竿」はブランドとして今も残っている。庄内竿のWikiのページに歴史含めて紹介があるが、ここでは書ききれない庄内藩の釣りキチぶりを知ることが出来る。館内にあった年表からいくつか引用する。

寛政~文化年間 神尾文吉という大物をねらう釣りの名人が現れる。庄内の釣り師は生田派の「技術派」と神尾の「豪快派」にだいたい二分される

文政10年 第10代庄内藩主酒井忠器が釣りに関する「お触書」を出す。釣りで遠出することは武用の一助となるので容認するが、無用な争いや事故のないようにせよとある。

嘉永3年 第11代庄内藩主酒井忠発が温海温泉で磯釣りをする。この頃には釣り道具は自分で用意している。夜まで釣りをしていたという記録がある。

名竿と呼ばれる「榧風呂」のエピソードなどみても、藩をあげて手に負えないヤツラである。実際明治維新で、庄内藩は官軍に抵抗して最後まで戦ったが、夜釣りの遠出で鍛えた足腰で連戦連勝だったとか。

館の展示は、別に竿を扱っていることはなく(そらそうだ)加茂近海の魚や近辺の沢に生息する淡水魚の後、各種クラゲの水槽がある。特に小指の先ほどの小ささでカサの縁のみが発光する小さなクラゲで、微妙にいろんな種類がいて、面白い。また、養殖しているクラゲが生後1日から数日後まで成長する姿を見ることができる。

展示の目玉は大きな水槽に2000匹ものミズクラゲが泳ぐクラゲドリームシアター。少しずつ大きさの違うクラゲが奥行きをもって揺れる様は、プラネタリウムを見ているようである。

一通り見てから、昼過ぎに鶴岡駅に戻り、駅前の料理屋で名物である麦きりを食べる。そばのような細いうどん、あるいは少し太めの冷麦である。雨で寒かったので温かいつゆで食べたが、にゅうめんを食べているようだった。これはこれでありなんだが、美味しい麦きりがどんなのか気になる。

電車が動いていないので、もうどうしようもなく、宿をとっている湯田川温泉に向かう。泊まったのは食事が評判の九兵衛旅館。とはいえ、夕食は宿泊予約時ですでに予約で一杯で、外で食べることになった。

すぐ近くには、映画「たそがれ清兵衛」のロケに使われたという神社があった。庄内地方映画のロケに使われることが多く、また藤沢周平が鶴岡出身ということで、なにかと時代劇づいている。庄内の歴史の深さ、文化のユニークさが今まで息づいているをこうやって有形無形の姿で感じることができるのは面白い。京都も、わかりやすい遺産としてだけでなく、ある程度逗留していると長く積み重ねてきたオリジナリティを町並やメンタリティから感じ取ることが出来るのだが、それと同じような歴史の色あいがある。

夜は近くの焼き鳥屋で食事。どこで飲んでも日本酒が美味しい。