足洗邸の住人たち。5

妖怪ものなのに熱い、けど熱血だけじゃない、そんな不思議マンガ。

ああもう、捨てコマなしの面白さ。ほとばしるサービス。熱すぎるバトル。出てくる新キャラがみんなちゃんと立っているんですよテラスゴス。アウラ付きのメイドとかエアリアルとかいちいち面白い。

福太郎はやっぱりアレなんですかねぇ。大太なら気づかないのかね。それにしても彼の、死に顔は云々というセリフはとても印象深い。

個人的には2巻(?)で義鷹に井戸に投げ込まれた教授が再登場したのが嬉しい。世界が広がるんですよね。大召喚に対する立場は福太郎と同じだけど方向が丁度反対だし。

殺伐としている大太たちと自らの家を守ろうとする妖怪たちの間で、人間が逆に自分自身のためだけに行動している。別の言い方をすれば妖怪たちが生きるために戦い、人間はよりよく死ぬために(刹那的に)生きている。その対比が、大召喚という舞台、ジャンプ的な展開と合わさって、重層的な面白さに繋がっているように感じます。

以下は妄想。福太郎の立ち位置は、ゲームのプレイヤー的である。つまり、世界を俯瞰する神でいながら世界の一員である両義的な存在。5巻に至り長髄彦が前者の役割を担うことで、福太郎の役割も変更を強いられる。もしかしたら、世界の一員として行動するのかもしれないし、これまでのゲームあるいはゲーム的な創作物(例えばマトリックス)のようにトリックスターとして役目を終えた後に退場するのかもしれない。でも、もしかしたらどちらとも違う役割を担い、話を終わらせてくれるかもしれない、という期待をちょっとだけ持っている。