シナリオ

#23「境界面上のシュタインズゲート」

先々週くらいにふと録り貯めしていたシュタゲを見始め、あまりの面白さにiPhobe版を買って全クリしドラマCDαを聴いたのが先週のこと。しかしTrueエンド前の23話は正直あまり期待していなかったのでした。しかしそんな諦めも吹き飛ばす神展開。何回見返したこ…

「まどか☆マギカ」、「小さな物語」と「大きな物語」のあいだ

結局まどかが神さまになって終わりかぁ。私がまどかに興味を持っていたのは、「小さな物語」と「大きな物語」の接続をうまくやりそうだったからなんですよね。少女趣味的、あるいは現実と少し距離を置いて世界をとらえがちな日常の裏にある仄暗さを魔法少女…

「まどか☆マギカ」の決断の行方

前ふり 「魔法少女まどか☆マギカ」と「仮面ライダー龍騎」が似てるね、という話は早い段階からありましたよね。7話だったか、魔法少女はゾンビも同じ、という杏子の言葉は、上位システムによって使役される英雄を描く「龍騎」や「Fate」を即座に連想させる…

ゲームの「社会科」

「社会」と「社会科」って違うよね。 「社会」は人間と人間のあらゆる関係を指すとWikipediaさんが仰っているけど「社会科」ではそんな話は出てこない。国とか共同体を維持するための人の営み(環境への働きかけ)を、意識することは少なくなっている。リア…

「インセプション」

現実と夢との不連続性、夢への跳躍は、どうしても「ビューティフルドリーマー」や「千年女優」などのアニメと比べてしまって、うまく評価できないなあ。なんだかんだでスーパーフラットってこの手のネタを扱うのには最適なアプローチだったと思ってしまう。…

「神のみぞ知るセカイ」

酔狂さんへの返事を書かなきゃと思いつつ忙しさにかまけておりました。ラブコメって、記憶だとかトラウマとかコンプレックスとかそんな重しがあって、それの対極に愛があって、2つのギャップで笑いを誘っているんですよね。神のみは、そういうのをみんなパ…

「聖結晶アルバトロス」

マンガ喫茶で手にとった「聖結晶アルバトロス」がツボに入りすぎた。なんと言っても、ゴミ子こと朝倉が魅力的すぎる。ポンコツなメガネっ娘ってあーたどれだけ狙ってくるのだと。きっと若木民喜先生は俺と同類に違いないと思っていたら、「神のみぞ知るセカ…

ポスト・ホロコーストもの

「新世界」「旧文明」系FT・SF話 - Togetterまとめ 「中世ファンタジー、と見せかけて科学が発達しすぎて一度文明が滅んだ後の遠未来を描いた作品」まとめ - -it’s an endless world. ƒ|ƒXƒgEƒzƒƒR[ƒXƒg‚r‚eÄl「エンジン・サマー」の大森望さんによる後…

ヱヴァ破が破るもの

あるいは、キャラの立ち位置から見ての新劇場版とテレビ版エヴァとの違い。超ネタばれです。

「蹉跌」の消失

センセーショナルと評判のミュージカル「春のめざめ」を見に行きました。ストーリーはこちら。青春の蹉跌を描いた作品です。性の抑圧とか。古い。そもそも原作は19世紀末にドイツで書かれた戯曲です。けれど普遍的だとも言える。やっていることはケータイ小…

どこから来たのか

「どこから来たのか」「どこへ行くのか」という根源的な問いに対し、後者はよく問われるが前者はおざなりになる。特に近年その傾向が増しているのかも。主人公がやんごとなき人の末裔であることが途中でとってつけたように語られたり、ヒロインの行動原理が…

二次創作の違い

http://d.hatena.ne.jp/suikyo/20080920/p1 を読んでなんとなく。 ニコマスはメディアで、VOCALOIDや東方はプラットフォームという印象があるなぁ。 ニコマスでオリジナルな楽曲を使う人はあまり知らない。クロスオーバーはあるけど、突き抜けたアレンジ曲を…

よつばとARとアフォーダンス

8巻ですが、しまうー目当てで買ったんだけど思った以上に楽しめました。「文化祭」「たいふう」「おまつり」のイベントもの3本の積み重ねで、単なるエコじゃないんだとちょっと分かった。 中でも「おまつり」でのみうらのシーンで、頭を殴られたような衝撃を…

対象との距離、感想

リンク先に直接何かを言うわけでもないし別に結論があるわけでもないので、URLリンクせずに。guri_2さんの「ポニョ見て泣いた。これは宮崎駿が見てきた夢じゃないか。 - Attribute=51」とaurelianoさんの「guri_2氏の映画評に対する率直な感想」の姿勢の違い…

http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1251.html

メモ。 「原郷」と「異世界」の歪んだ関係こそが昨今の日本なのであるという判断がある そして、アニメは「原郷」と「異世界」とをショートカットでつなぎ続けてきた。スーパーフラット。「千年女優」はかなり自覚的にそれをしていた。「マヨイガ」など日本…

磯監督の描くものと「オタク イズ デッド」

丁度酔狂さんからフル3コマの話を紹介していただいたので。磯監督の描こうとしているものは、はっきりとした形のないもの、あいまいなものなのでしょう。それは、ロマンアルバム「電脳コイル」にある数々の記述からもわかる。 斉藤 いただいた曲のメニュー…

足し算の創作と引き算の創作

昨日「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」を見に行った。確かに二次創作として見たら面白く、1つの作品として見たらひどい。というか二次創作としてしか価値がなかった。では。今オリジナル作品で骨のあるものがあるのか、というとよくわから…

遊蕩してる場合じゃない

森博嗣的な天才の終わり - END_OF_SCANで20世紀的な知的活動が壊れてきているてな話を書いた。その際、http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1240.htmlを引用したのだけど、松岡正剛さんも次の回、http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1241.htmlにて同じ…

ケータイのアクチュアリティ

現実感について考えるとき、まず思い浮かべるのがリアリティとアクチュアリティの違いだ。アクチュアリティについては、木村敏先生の本を読んだだけで詳しく語れるわけではないんだが、「自分が今この時間を生きているという感覚」とでも言おうか。アクチュ…

「ケータイ小説」を外に追いやりたい人たち

http://www.miyadai.com/index.php?itemid=600 宮台 西村賢太はそうですが、話題作のケータイ小説『恋空』を出すとそれは関係なくなります(笑)。 主人公が輪姦されても彼氏が「守ってあげられなくて御免」と言えば一瞬で立ち直る。セックスをしたら 直ちに…

二次創作はリアルを回復しうるのか

最近の二次創作は、動機付けのないキャラに物語を肉付けして自分の好みのままにキャラを染める方向にますます進んでいる。最初にそのことを実感したのは、1年前に某最萌トーナメントで立ち絵もないキャラがベスト4まで進んだときだった。これまでも脇役が…

作品に終末思想漂わせているのは70年代生まれだけ、だと

喝破したのは円城先生ですが、それがずっと引っかかっています。「サイバーパンクと未来への想像力」で、東たんが今の若い批評家は中に閉じこもっている、と批判しているけど、構造に囚われている世代的な病なだけかもしれない。「サイバーパンク」というジ…

終末の物語について

何が言いたいかわからない話ってありますよね。それこそSREとか虐殺器官とか。同じ70年代生まれだと秋山瑞人の作品なんかも訳分からん面白さだけどやっぱり何が言いたいかわからない。私はそういうお話大好きだけど、そういうのを全否定するタイプの読み手も…

つまり携帯小説は伝奇小説であって

夜の街から越境してやってくる異能の者であるホストはサンカ*1なんだろう。彼女たちはホストたちに理不尽に恋愛感情や命を持っていかれている。彼らに交わることで脱中心化を果たしている。新伝奇については笠井潔が「空の境界」の後書きで気合の入った評論…

物語の不気味の谷、それに対抗する試み

ぐだぐだと書いてみる。

オリこん4

「僕僕先生」の仁木英之先生のサイト経由で知った。blogでの表現には限界があるなぁと最近とみに感じていて、よりポジティブな意味で創作に戻りたくなっている。短編20枚、〆切は9/1。今度はちゃんとガッがある作品を書きますよっ。

午後の国の小説

ブラッドベリの「死ぬときは一人ぼっち」に、小説を書き続ける作業について、朝にゲロを撒き散らし夜にそれを回収するようなものだ、てなことを書いている。確かに多くの小説家のアドバイスに、朝に書けというのがある。あるいはスティーブン・キングは、小…

「センス・オブ・ワンダー」の終わりの始まり

大林「時かけ」と細田「時かけ」の違いはつまり、ドリーマーか"動物化"か、ということだ。月基地作ったり軌道エレベータ作ったりと跳躍できるのは、死の匂いが隠蔽されているおんにゃのこの特権ではもうなくなった。あるいは、太母的なものに到達できるのは…

「時をかける少女」への富野監督の批判について

超ネタばれなので、原作とか下記エントリなどを知らない人は、気をつけてください。 行ってきましたメディア芸術祭シンポジウム(続き) | ひびのたわごと 富野監督の「時かけ」への批判は、惚れた張ったといった若者の欲望を肯定するだけの"風俗映画"になっ…

Fate/Zeroのあとがきより

いま私は、思う存分、何の引け目もなく手加減抜きのバッドエンドを描く機会に恵まれたのだ。この胸の内に巣食う病理をどこまでさらけ出そうとも、総体としてみれば、あくまで私は、"愛の戦士・奈須きのこ"の片棒を担いでいることになるのである。ヒャッホウ…