BSアニメ夜話「劇場版エースをねらえ」

見たことはないんですが、宗方コーチの生き様は今見るとぐっとくるという唐沢先生の言葉や、アヴァンギャルドとも言うべき背景美術のすさまじさ、氷川先生の紹介した音声演出、など見所がたくさんあり、かなり興味そそられてます。

で、個人的に一番がつんと来たのが唐沢先生がこの作品の唯一の瑕としてあげたシーン。お蝶夫人から、どうしてひろみばかり気にかけるのか、と問われた宗方コーチは、「ひろみが亡き母親に似ているから」と答える。確かに、あちゃー言っちゃったよ、というシーンだけど、これに対する岡田斗司夫の反論は、こんな感じ。

短い尺である以上ひろみに絞って語る必要がある。そのため宗方コーチの価値を相対的に貶めなければならない。

なるほど、と目から鱗でした。こういう手法って結構一般的にとられています。話の焦点をぼかさないようにするため他の部分をイージーに描く、というのは私もよく使います。でも、演出上の必然性より見た目の瑕に囚われる人って多いんですよね。演出の費用対効果というのはとても難しい問題だと再考させられました