スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

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グロい。しかも殺伐としてる。これは万人にはお勧めできない。でも、かなり好き。ミュージカル好きでもともと耐性があるからかも。面白おかしくて、グロくて、切なくて、悲しくて、いろんな感情がないまぜになりながら、心に何かが残る、重層的なお話になっている。大人のための寓話かも。ミュージカルだから成り立っているなぁ。
パイ屋の女主人が一番可哀想なのかもしれない。彼女はただ彼のために尽くすことを望んでいたのに、結局ひとつの嘘のために自らを滅ぼすことになってしまう。ブロードウェイらしい展開といえなくもないけど、でも切ない。
トッドらの歪んだ愛情に対し、船員とトッドの娘との恋はそれと反対の清らかなもので、その対比がもう少しちゃんと描かれているともっとすごい話になったと思う。きっとミュージカルにはあったんだろうけど、映画化で削られたんだろうな。わかりにくいだろうし。