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電脳コイル最終話

レビュー

RPGの終わり方のような展開がずっと気になっている。もう一人の自分、冥界下り、忘れていた過去との邂逅――幻想物語からRPGに受け継がれた神話の構図そのものだ。トラウマになりそうなミヨコさんなんてまんまグレートマザーですよ。ユビキタスでARな世界を描いていたのに、どうしてオーソドックスな物語にならざるを得なかったのだろう。

ハラケンが最後に語っている。


今までのイリーガルは全部何かの感情だったんじゃないかって。憧れとか怖いとか、
もう会えなくなってしまった誰かに会いたいとか。そういう気持ちを、誰にも知られずに
消えていくはずの気持ちをあのヌルたちが拾い上げていたとしたら、それがイリーガル
なんじゃないかって。

これを聞いて、ああこれもありかもしれない、と思った。実際、Webも多様な知識や論理をつないでいくよりも、感情をつないでいく方向に進化している。ネットが広大になって、人は自分の近くの感情をつなぎあわせて増幅させ、トラッドな物語を自分の中に見つける。神話のチープ革命。この落差は、確かに今のネットだわ。