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「ウェブ時代をゆく」にあって「ウェブ進化論」になかったもの

ウェブ進化論」やその他、シリコンバレー礼賛本や、ベンチャー礼賛本にはいつも不満を持っていた。jkondoがどんなに型破りでも、Googleがどんなに革新的でもそれは結果でしかない。ダイエットの成功談と変わらない。

ウェブ時代をゆく」の第四章「ロールモデル思考法」はとても面白かった。そこにはプロセスが書かれていた。なぜそうしたのか、そうしなかったのか可能性を含めて書かれていた。芸として裸になっているのではなく、ちゃんと読んだ自分の血肉に取り込めるようになっていた。

一般に相手を動かすときにとる方法として、いいことを並び立てて相手を羨ましがらせるか、リスクを並び立てて相手を不安にさせるかのどちらかになる。でも、前者にせよ後者にせよ言いなりになっているみたいでどうにも不快だった。物語をちゃんとつくること、なんてのもあるけど、"物語"って何なのかわからない。

ウェブ時代をゆく」には偶有性を含めた形でケーススタディが書かれている。7章の「大組織vs小組織」も8章のスモールビジネスとベンチャーの下りもあなたがこのぐらいこうだったらこうするといいかもしれない、と、取りうる複数の可能性を踏まえ価値判断の基準を示している。そこが本当に知りたかったことだった。キモは何なのよ、とずっと思っていた。どうもありがとうございました>梅田さん

と同時に、偶有性を共有する、というのは何かひとつ新しいメソッドになるように感じる。相手をまきこみつつ締め付けずに互いの価値を最大化するための共感(説得)の方法として。