グーグルのオファーを断り、10億ドルをつかみそこねた男の話 - CNET Japan

原因のひとつは、こうした大立て者--ほとんどが50歳前後の男性--が実際のユーザー層と大きくかけ離れていたことから、主に若者向けのSNSビジネスのコンセプトや魅力をきちんとしておらず、しかも自分たちで使うこともあまりなかったことにあるという

現在Friendsterで社長を務めるKent Lindstromは当時の状況について、「彼らはいつも次のこと("next thing")の話ばかりしていた。VoIP機能(の追加)、他言語での展開、大手広告主との契約・・・しかし、われわれは真っ先に解決すべき根本的な問題を解決していなかった。サイトがきちんと動かないという問題をだ」と述べている

ちなみに、前述のDoerrはこの頃すでに、「お気に入りの音楽アーチストを核にしたコミュニティつくり」というMySpaceと同様のアイデアを思いついていたが、しかし「実行段階で完全に失敗した。敗因はサーバのパフォーマンスを改善できなかったことに尽きる」(Doerr)という結果に終わった。

痛いほどよくわかる。

上の世代は、理屈では何が起きているかはまだ知っている。でも、使ったことはないし良さもわからない。それは知っていないも同然だ。円の換算レートは知っていても外国に在住しているものが、日本人の日常の経済活動を語れるわけがない。多くの場合、自分の体験の延長上でしか想像できない。理解できないものを見ることはできない。
ROIには潜在的な価値を入れることはできない。「MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方」で著者が言っているのは、MBAに絶対的に足りないのは、今必要なものを捉える洞察力だった。世界がフラット化しているならば、現場感覚・"情報"として表にあがってこない非言語的なユーザビリティ(コミュニケーション)への理解は、より貴重なものになるんだろう。
私がセミナーによく足を運ぶのはそのためだったりする。講演者が発する非言語的なメッセージには、情報と情報とをつなぐ力がこめられているから。