第5回テレビとネットの近未来カンファレンス

過去のカンファレンスの様子は、
END_OF_SCAN - 第4回 テレビとネットの近未来カンファレンス
END_OF_SCAN - 第3回 テレビとネットの近未来カンファレンス
END_OF_SCAN - 第2回 テレビとネットの近未来カンファレンス
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よりどうぞ。内容は、

  • TVBlogの新サービス:ローカルPCに蓄積しているテレビ番組のナビゲーションシステムTAGIRI。今月末発表予定。多くのTVキャプチャーボードに対応、サムネイル表示+検索+タギング。TVBlogのメタデータとの連動、タグの共有にも対応予定。
  • skypeの大規模チャットサービスskypecast、Webページにpresense情報をはめこむskypebotton
  • 映像CGMの動向紹介:投稿ビデオを募集するメーカーサイト、放送局。Web上でオンラインに動画編集するJumpcut、既存コンテンツを編集/加工するCGMの盛り上がり(Starwars Kid 2.0、自動CM生成)

今回、行こうかどうしようか迷っていたんですよね。これまでのカンファレンスでは、GRPの代わりとなる広告指標をどうするか、で行き詰ってたし。今回は、コンテンツの話題に偏ってましたが、結構楽しめました。ネットムービーの活況を感じることができた気がする。
映像CGMの動きが思ったより速い。メーカーがCM募集するようになるだろうとは思っていたけど、もうこんなに出来ているなんて。MasterCardのpriceless film festivalなんて上手い。日本だとどうなんだろう。大手企業はイメージが損なわれるのを考えてなかなか動かないような気がする。何より、電通らの作ったCMを、電通らの指定した枠でしか流さない現状を鑑みると惨憺たる気分になる。
Jumpcutはあんなに完成度が高いとは思わなかった。映像の切り貼りからキャプションからフィルターから。あれだけ出来れば十分使える。あとは、適当な*MLで記述したCGと合成したりスクリプト書けるようにすることでしょうねー。誰かすぐにやりそうだ。
Starwars Kidは元ネタだけ見たことあったけど、2.0には笑わせてもらいました。サイト探したら、あのガキ100人スミスと戦っていたし。元ネタをどんどん膨らませる形の創作、つまり二次創作において、映像についてもインフラができつつある。日本的にはスクリプトをアップする形も必要かなぁ。
疑問なのは、そのときTVはこれまでのように特権的なのか、ということ。ネットやら同人の創作からみるに、CGMは基本的にクロスメディア展開する。むしろ、そう仕向けないといけない。そのとき、ユーザは一度の視聴機会でMADもCGもSSもゲームも入り混じって消費することになる。今でも、ネットを使っている人は、映像を見るのも、音楽を聴くのも、ブログを読むのも、いっしょくたんに行っている。もはやTVのように映像しか見れないプラットフォームはウザいだけなのかもしれない。
懇親会でdotBAR行ってきましたよ。ネットスノッブとして経験値が少し上がったにちがいない。とても刺激的でした。隣の方が宇宙観光アドバイザーな人だったりとか、某社の人と一緒に叶美香の写真集を見たりとか。


下はメモです。発表資料は後日サイトにて公開される予定なので、コメントを中心に書き取っています。
注意:以下は私が見聞きしたことを勝手に書き取ったものであり、講演者/発言者の意図を正しく伝えていない可能性があります。


「テレビブログ」今月の新サービス / 井上氏
テレビブログについての説明

これまで:番組をサイトから探しTBFをDL、対応するファイルを指定、
15秒ほど待つ、見たいシーンを一覧から探してプレイ
→ さくさく見れない

今回発表のサービス:録画した番組にメタデータをつける
目指すはiTuneの映像版

1. 大量のサムネイルを同時表示
サムネイルがずらずら並んでいる。
マウスオーバーすると番組の情報が下に。
クリックするとWMPが立ち上がる
下にバーがあり、動かすと、サムネイルの大きさが変わる。
1番組が一行として表示するモード:各シーンのサムネイルが横に並ぶ。

数百GBビデオデータを貯めているPCだと、一面にサムネイルが並ぶ

2. 検索
右上に検索窓。該当するサムネイルだけがハイライト表示

3. ユーザによるタギングをサポート
右クリックで、タグ入力窓が開く。
左の柱にタグのリストが表示

4. 動画を瞬間的に起動
現在開発中。。

システム構成:
MPEGファイルを格納しているフォルダを常時監視しておいて
ファイルが増えると、サムネイルを作成し、DBに格納。
Picassoに近い感じ。
(市販のグラフィックボードごとに格納するファイルの名前
などが違う。それらすべてに対応)

今後の予定
1. メタデータの自動取得
ローカルPC内のメタDBとTVblogサーバとで同期をとり
メタデータがアップされるとサムネイルを作りなおす。
それをオフラインに。

2. タギングを送ってもらって共有
友達同士 / 世間一般で。
テキストを打っていくのがめんどくさい。
タグを入れるだけ、それが情報発信になるような。テレビブログ2.0

神田さんのコメント:TVをみてて、関連するURLがタギングと同じように
どんどん送ってもらうようなのが欲しい。
見てる人がURLを入れてたら、あとでそれを見れたら面白いかも。
スパムみたいな問題もあるのかも
MySpace.comはTV見ながら、面白いところをみんなで共有

個人がパッケージとしてテレビ番組を持っておかないといかない?
どうせなら、録画している番組をネットの向こう側にホスティングして
預けてしまって、そこから見ていくのがいい。ホスティングサービスは
同じ番組データは一つにまとめてしまって。

#XVideoなんて、デフォルトで全番組を録画しているのだから、
#それを改めてネット上に置いていても、放送機会の侵害に
#あたらないんじゃないか?

海外の番組がYouTubeで見れるようになってきている。
日本のTVよりYouTubeを見るので精一杯。それしか見ていない。

タギングは無数にあるコンテンツをフィルタリングする。
あの人はこれを見たら喜ぶだろう、というのがわかっているからいい。

3. iPod/PSP/携帯
バックグラウンド処理。
ウォッチワードを設定しておくことで希望する番組、シーンの転送を
予約することが可能

4. VoDへの対応
さまざまなVoDサービスのサムネイル、再生ボタン、サイトへのリンク

TiVoでは、VoDがTiVoのハードディスク向けにDLできる、なんてのがある。
ロケットブームは普通の番組とCGM映像がいっしょくたんに入ってくる。

その他:
ユーザの視聴動向に応じたレコメンデーション
録画予約機能との連動
DLNAを介して他のハードウェアにある動画と連動
再生遅延を短くするためビューアも作っている

今月末に正式リリース、サービスの名前は、TAGIRI
滾る、TAG入り、などをかけた名前

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SkypecastとSkypeButton / 岩田氏
Skypecast: 同時に100人話せる無料オンライン会議
SkypeButton: Webページ上にSkypeのプレゼンスなどを表示するためのボタン

Skype2.5
通常では会議通話最大5人。

Skypeの収入源
SkypeOut: Skypeから一般の電話にかける。
・SkypeIn: 通常電話からSkypeに電話をかける。IDに050の番号を関連付ける

Skypecast:
100人までの人がネットで無料で通話ができる
主催者が立ち上げ、スケジュールし、管理する

モデレータは参加者全員のリスト、
それぞれに対して、mute, ejectなどを選べる。
参加者はマイクを要求できる。
参加者は他の参加者のプロフィールを見ることができる
参加者同士でチャット
参加者同士でファイルの送受信

skypecasts.skype.comにSkypeがホストするトピック一覧
Webページに入り口をはりつける。
海外ではゴシップサイトにコーナーを設けていたり。

他のサービス:特定の主催者がskypecastを開催するとき、
RSSフィードで他の人に伝えたり。

今後の予定:
・Skypecastを録音して、それをpodcast
・有料Skypecast
・視聴を参加人数を限定せず開放

コメント:
自分の番組を持つような感じ。「真鍋かをりのここだけSkypecast」なんて感じで。
すぐ出会い系のサービスになりそう
中国、韓国ではしゃべっちゃいけない言葉があって、それをどう管理するか大変。

PCの前にいないと使えない
→アメリカでは、SkypeWiFi端末が今年登場予定。組み込みで。すごい人気。

SkypeButton:
自分のSkypeの状態presense, profileなどを表示、
leave me voicemail:声でコメントをつけられる。

Google mapとmash upして、map上でみんなのプレゼンスを表示するとか。
→すでに誰かが作っている

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NAB2006レポート 神田氏
アメリカは中小企業のテレビ放送がすごく多いので大きなマーケットになっている。

Pana、Sony: ちょっとつまんなかった
去年もあったP2HD: SDカードを束ねたスロットにHD映像を
軽いデータを先にネットをとばし、それで編集して
その後で本編を変換して。

MSのVista上でのMCE
HDDレコーダと違いがない。
ネットの映像が一緒に取り込まれて、写真などもリビングでテレビで見る
編集ソフトであげていったり。
テレビが大画面になって、CGMもそれで見ると見栄えがすると思った
テレビも普通に録画
ただし、リモコンは普通。どこのだかわからない。
リモコンはソリューションツール(何かを視聴したい、などのソリューションを
解決するためのツール)だと思う。

Vongo
MSのブースにあったVoD。

moodmapping
音楽自動編集ソフト、こんなムードでこの長さで、と設定すると作曲してくれる

Apple H.264 HDTVエンコードと配信

セグウェイステディカムがつけて会場を走り回っていた。
すげー。ごっついw

NewTek
Tricaster 小さいボックスでHD編集可能

Technology Luncheon
飯を一緒に食べながら話しあったり名刺交換したり。
アメリカは、制作者と編成局と、distributorの三層編成
1000チャネル。
だから制作者も多い。そういう人たちが意見交換などする場になっている。


KeynoteスピーチでChris Anderson (Wired Magazine)がlong tailの話題を。
最近のNABは、ネット業界の旬な人を呼んでいる。
テールはどんどん長くなっている。もはや、"氷山"

50centで息をふきかけてアルコール濃度を測ってくれる自販機みたいなの。。。

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CGM-CM / 神田氏
converse, master card
それぞれテーマで(pricelessとか)投稿ビデオコンテスト。
メーカで募集して集まってきたCGM-CM
CMだけ集めてるサイトがあっても、そこに人が集まってくるかも。

眠眠打破

Starwars Kid2.0:
一本の映画つながりで連歌のように映像制作

Jumpcut:
オンラインでみんなが編集
公開されている映像が切り刻まれて、テキスト、エフェクト。。。
これまで映像をもっていないと参入できなかったのが
いろいろトライできるようになってくるかも。
Flickrのデータを読み込むことができる、静止画をもとに編集

自分が加工できる立場に、公開できて
それをブログにはりつけたり。
新しいshare型ビデオとして。

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橋本氏
テレビとネットの近未来的BuzzWords 12

TV in Japan
日本のTVをアメリカの若者がどんどん(YouTube経由で)貼り付けている。
外人に受けている日本のTV
面白いものをアップすればどんどん人が集まっていく流れができている。
Big in Japan: 日本でだけ有名。芸能人をやゆする言葉。
日本のCMに出ているとますます揶揄されている
国際というコンテクストに置いただけで新しくなる

メタクリ
ネット上であらゆるものをレビューするサイト
業界紙の文脈から適当に点数をあたえている。
レビュー記事のマッシュアップ
ほめてるテキストを数値化。
マッシュアップWebサービスからコンテンツをつなげる方にいってる

TV番組の主題歌を集めているサイト
ユーザがアップして作る
自分の好きな番組が埋まっていないとアップしたくなる。
補完欲求を満たす。
Wikipediaのピラニア効果:
間違いを編集チームは数分で修正してしまう。
まずチャットルームにとぶ。
そこに世界中からチェックするやつらが待ち構えている。

日本では個人の人が網羅的にやっている。
どうやって知らない人どうしをつなげていくか。

O3 (Otaku 3←インド人2人で立ち上げたi2 Technologyをもじって):
3人でphotoshopグルの講座番組
一人だと作れない。
自分も新春podcast対談で同じことを感じた
一人でしゃべるのは大変。3人だとコンテンツになる。

Bothtails
子供に見せてはいけない番組を見たくなる。
Hateももう一方のtail

Current TV
ユーザが作った映像を放送する
数分の枠(pods)を求めて投稿する。
それに投票するコミュニティ。
その上位を放送する
オンデマンドだけど生放送。枠がある。
コミュニティの投票で編成

読者ブログ
大きなメディアにぶらさがる パラサイトなブログが。

バイラルビデオ
個人がホスティング
容量が少ない。
常に最新の25しかない。
アップデートがあるとメールで教えてくれる。
早く見に行かないと、消えてなくなってしまう。
なんでもコピーできるからデジタルってコモディティ化してしまうものだけど、
それを回避している例。

予約した数DLした数をランキングして表示。

議題設定番組
環境問題のドキュメンタリーがながれる。
それに対する意見を求める。
CGMって議題設定した人が勝ち。
ホリエモンは議題設定がうまかった。
CGMは議題設定の時代ではないか。
そのための映像って人気になるのではないか。

ポッドデート
出会い系映像投稿サイト
異性にアピールする映像をアップ

スポットCM
テレビのスポットCMを
スポット枠をみんな変えてしまう。
オンラインにたくさん映像の素材がある。
1. 場所を選ぶ、
2. その地域の番組を選ぶ
3. その地域の放送を買えてしまう
4. 素材映像ーなんにでも使えそうなイメージ映像
ナレーションという項目にテキストを入れると、
切り替えてくれる。
それで決済するとCMが作れてしまう。

映像のテキストだけ入れ替えてプライスレスのCMを作ってしまったり。

今まではインフラとかの話をしてきたけど
だんだんコンテンツに焦点がしぼられてきた
ツールはそろってきたと感じる。

予想するよりも自分たちでやっちゃおう、と思って始めて、それが出来てしまう。

例えば、プロもこの流れを取り込んで、作品の結末の部分だけ作らないとか。
それをアマが作ったり。
プロとアマチュアのマッシュアップ
数十秒数分なら、「ほしのこえ」みたいに数人でもプロ顔負けのものも作れる。
ラストピースを埋めたくなる欲求のように。