「完璧なマイニングなどといったものは存在しない。

完璧なプロファイリングが存在しないようにね。」
と、「風の歌を聴け」の冒頭をパクってhttp://d.hatena.ne.jp/suikyo/20051202に答えてみる。
WPC-Expoでの講演 - END_OF_SCANで次のように私は書きました。

知能系では「知識の統合」というissueがつねにつきまとう。ほとんどの研究は知識の統合を自動化することを目指している。しかし、それにはフレーム問題がつきまとうため非常に困難となる。知識の多くは身体性など人間のimplicitな部分に依存しているものが多いからである。
Googleは、さまざまなカテゴリーの知識を階層化する、階層間をユーザが自由に行き来するインターフェースを構築することを目指している(Earth,Future)。知識の統合の半自由化である。注目すべきなのは、知識の統合のハードプロブレムを集合知で解くため、Googleが情報を如何にPageRankにかけられるようにDB化するか(Local,Personal)という問題に還元しているか、という部分である。

キモは、人間に理解できるカテゴリーで階層化することだと思うのです。

(補足)
>やっぱり人による気がします
うぃ。上のは、人によって指向性が違うときに別々にUIをチューニングするのは大変なわけで、統一的に扱うにはどうするかという話。情報呈示を階層化するというのは一つのアプローチでしょうと思いました。

で、コンテンツ2.0といったのは、もともと、ユーザを如何にコンテンツに誘導するかという視点で言っていました。

>ディレクトリ+ソーシャルタギング(「カテゴリ」?)
は考慮に入れていません。自分がどのカテゴリーに属しているか分かっていて、そこに積極的に関わる人なら、何もする必要はなさそうです。

>協調フィルタ+α(personalized clustering)
個人の嗜好を推測するよりも、他の方法があるんじゃないか、というのがコンテンツ2.0で思っていたことです。

視聴者がどこに反応するか、どの部分を話題にとりあげるか、それによってどのようにコミュニティが生成されるか、というのは、90年代以降のメディア論の大きな流れだと思います(例えば東タンの「動物化(ry」)。視聴者は作品そのもののコンテクストを話題にとりあげ盛り上がるより、その部品や設定に反応します。そこまで視聴者は自分の感想をまとめることに熱心ではない。たとえばハガレンの最新刊に対する感想で一番多く見かけたのは、「眼鏡っ娘中尉」とか。
視聴者の嗜好を推測するよりも、視聴者が興味を喚起され反応を起こしたくなる要素を推測する方が面白い。それなら、それはコンテンツの部品から直接他のコンテンツを結びつける方が効率いいんじゃないか、つーことです。パーソナライズの特定要素をコンテンツの部品にmappingしてしまうというか。

私が興味があるのは、AISASに合ったコンテンツアクセスモデルをどう作るか、ザッピング的な視聴形態に適したコンテンツアクセスモデルをどう作るか、という点です。