湯田中、関山神社、松本

湯田中の隣にある渋温泉郷まで早朝に散歩しました。桜が残っていて、あちこちで愛でることができました。また、昔ながらの温泉ということで、お寺や石碑、特に小林一茶の歌碑があちこちにあり、割と飽きずに渋温泉郷まで行けます。時間は30分弱ですかね。特に、世界平和観音という野ざらしの大きな観音像があるのですが、そこへ登る階段が桜のトンネルになっていて、とても風情があります。

渋温泉郷には、金具屋という有名な宿があります。なんでも「千と千尋」の油屋のモデルなんではないか、なんてことを言っていて、ぜひ見てみたいと思ったのでした。実際のところ、四階建ての棟の各階(少なくとも欄間)の意匠が違っていて面白い。ただ、道後温泉のように色んな棟が連なっていることもなく、古めかしくもないので、肩透かしなところもある。館内がもっと趣向を凝らしているらしいので、一度泊まってみたいものです。

渋温泉郷自身も、ゆるやかにくねる石畳の道に、昔ながらの旅館が連なりいい感じです。外湯巡りというものがあって、9つの公衆浴場がそれぞれ違うお湯で、渋に宿泊していないと入浴できないのですが、それぞれの公衆浴場の建物が趣があって外から眺めても面白いです。あと、奥にある温泉寺も、楼門や鐘楼がいい感じ。

一通り巡ってから戻って、宿に戻って朝風呂。湯田中の古くからある宿であるよろづやに泊まったのですが、そこの大浴場である桃山風呂がなにげに素晴らしい。湯屋が昔ながらの建物なのですが、それがお寺の本堂のように立派で、野天風呂からそれを眺めながらお湯を頂くのがとてもよかったです。

さて、この日の予定は、重巡妙高の艦内神社である関山神社へ行ってから松山へ移動すること。スケジュールはこんな感じ。

湯田中からの車窓からは、北信五岳である、妙高山斑尾山黒姫山戸隠山飯縄山を望むことができ、長野からのしなの鉄道の車窓からは、黒姫山妙高山を間近に見ることができます。

関山駅から関山神社までは20分弱歩くので割と余裕がありません。境内は森閑としていて、いい雰囲気ですが、社殿と神輿殿があるだけではある。ただ、軍艦妙高記念碑として、砲弾(五十口径二十糎砲教練用弾丸一個と十二糎砲一号減装用演習弾4個とのこと)を備え付けた台がありました。他の人のサイトによると、拝殿に妙高の写真や額も飾っているとのことですが、気づきませんでした。ご朱印ですが、社務所は開いてなくて、賽銭箱の横の机の上にあるタッパの中に入っていました。

境内の隣には、江戸時代に周辺を治めていた宝蔵院の遺構があります。跡地はほとんど何も残っていないのですが、奥に庭園跡として、作庭された池が妙高山を借景に望むことができます。隣接する家の敷地内にぽつぽつと石灯篭や石社が置かれていて、当時は広い範囲に境内があったことがわかります。出羽三山もですが、廃仏毀釈令で文化財が打ち壊され、今となってはごくわずかしか残されていない、というのにしばしば出くわします。 

関山神社を発ち電車を乗り継いで松本へ。まずは一通り街を散策。縄手通りはありがちな観光用の通り。本町通りは当時の蔵が割りと残っている上に、形にバリエーションがあっていいですね。夕食は、せっかくなのでジビエ料理を食べられる居酒屋へ行きます。食べたのは、馬肉3品盛り合わせ、鹿肉のジンギスカン、猪肉のマタギ鍋、〆のざるそばに日本酒3合。馬肉はコクがあってこのくらいの量なら飽きずに食べられますね。鹿肉のジンギスカンは合わせている野菜とのバランスがよい。猪肉は薄切りで、独特のえぐみが野菜と一緒に食べると丁度いい。総じて肉の質もいいのでしょうが調理がとてもよかった。

夜は宿から送迎を出している温泉で、酔いと食べすぎの胃を労わっていました。