11/24 徳川美術館とか名古屋をあちこち

7時に朝食と言うホテルを急かして、なんとか7時半の特急に間に合わせる。この次が9時なんですよね。

岐阜から高山を抜けて富山へ到る高山本線は、木曽川沿いに山間を走るのだけど、様変わりする渓流の景色がいい感じです。風景がライン川に似ていることから「日本ライン」と呼ばれているらしい。特に、この頃は水面から立ち上る蒸気で川辺が白く煙り、幻想的でした。

まずは、尾張一ノ宮である、真清田神社に向かいます。熱田神宮が一ノ宮ではないのですね。なんでも真清田神社の働きかけがあったとか。国府に近くいろんな経済活動(服織物や農業)の神様を祀っているから、ということのようです。中世の頃は荘園を多く持っていたり、徳川義直らの崇敬を集めたりしたようですが、戦中に焼失したこともあり、今では普通に大きめの神社、という感じでした。

一宮を発つと、次は清洲城へ向かいます。名古屋の方向に線路沿いに20分歩くと川の先に天守閣が見えてきます。天守閣は模擬天守で、もともとの城は川の反対側にあり、しかも城跡はJRの線路で分断されているとか。清洲公園も城跡みたい。反対側の清洲古城跡公園にも積まれた石があるのだけど、これは城関係ないのかも。ただ公園内には城があったことを示す石碑があります。

この時点でちょうど昼前。名古屋城に行くことも考えたのだけど、丁度天守閣を木造復元中とのことで、ひつまぶしを食べることにしました。名古屋駅のうまいもん通りにある、まるや本店で2時間並んで食べました。まあ、美味しいですが、これうなぎが多少悪くてもわからんのじゃないかとか、お茶漬けにしたらますます良し悪しはわからんのでは、とか思いましたが、まあ今回の旅ではそれもまたよし、かと。しかし、名古屋駅は迷うね。

続いて徳川美術館に向かいます。位置は、栄の少し先といったところでしょうか。駅の端にあるバスロータリーから基幹2系のバスに乗り20分ほどかかります。このときの特別展は「源氏物語の世界―王朝の恋物語―」、企画展は「徳川慶勝の幕末維新」。がっつり見るつもりで覚悟を決めて行ったのですが、どちらも期待を越える素晴らしい展示でした。刀剣などの収集物、初音の調度など由緒ある宝物、加えて旧蔵する膨大な書物(蓬左文庫)が、他とはちょっと違う奥行きを与えています。源氏物語の展示では、有名な源氏物語絵巻の実物もさることながら、河内本や青表紙本といった写し、原中秘抄から玉の小櫛といった注釈本、派生した王朝物語、江戸時代に流行した見立てもの、などなど源氏物語に関わるものをすべて見ることができました。

徳川慶勝についてはこれまで全く知らなかったのですが、激動の人生と御三家の将軍らしからぬ個性が凄く面白いです。

  • 日米修交通商条約に対し、呼ばれてないのに勝手に江戸城に登城し井伊直弼を糾弾する
  • それを咎められ2年ほど謹慎を食らう。その合間、昆虫や草木の標本を作ったり、写真にはまって自ら道具を揃えて江戸城やらを撮るようになる
  • 第一次長州征伐では総督を務める
  • 大政奉還後、新政府側につき諸藩・旗本の助命に走る
  • 維新後従一位に任ぜられ、藩知事になったり国立銀行を作ったりした

新撰組で有名な松平容保と実の兄弟で幕末は敵味方に分かれていて、晩年兄弟たちと一緒に写っている写真があるのですが、もう涙なしには見られない。この人主人公にしてラノベ書こうぜ。

徳川美術館を見た後は、横にある徳川園を散策します。紅葉を楽しむには少し早かったですが、意匠を凝らした庭の作りで十分楽しめました。

この後は市内も巡ろうということで、大須観音から万松寺に寄って、栄に上ります。万松寺は信秀の葬儀で信長が位牌に灰をぶちまけたことで有名ですが、今やただのビルでした。名古屋ではオタク系のショップは赤門通りにあるのですね。山本屋の味噌煮込みうどんを栄で食べ、そのまま名古屋まで歩きました。普通に地下鉄乗るべきでした。広小路をずっと歩いたんですが、オフィス街ぽかったりハイソなお店も多いのにわりと何処にも飲み屋があるのがなんか不思議な町並でした。あと割といろんなところに肉屋があるのは何なんだろう。

岐阜からバスで移動し、長良川温泉で一泊。