佐渡

出羽三山に行くことを決めて思ったのは、こういうときでもないと佐渡に行かんだろ、ということだった。そんな話を佐渡汽船乗り場へ向かうタクシーで運ちゃんに言ったら、前もそういう人いましたよ、なんてことを言われたり。


そんな佐渡もいろいろ調べたものの、島の大きさもあり、佐渡金山およびその近辺に絞ることにした。

3本目のバスは両津ー相川の主線ではなく相川循環のバスで、事前に時刻表を調べてて見つけられなかったり。

佐渡金山で見学できる採掘坑は、江戸時代の宗太夫坑と明治時代の道遊坑とある。宗太夫坑は、とりあえず掘り進むアリの巣のようで、見学も中を登ったり降りたりする。水抜きが重要なので、斜めに掘られた穴に当時の作業を再現する人形というかロボットというかが動いている。わかりやすいっちゃやすいんだけど、なんか萎えるんすよ。あとは見学できるところが意外に少ないので、史料性を感じない。明治の道遊坑のほうが、分かりやすい分見ていて納得感はある。歴史的価値は疑うまでもないのだけど、歴史遺産への選考に漏れているというのも、まあそうかもね、と思ってしまう。ただ、道遊の割戸はやばい、人が掘りすぎて山が割れたということだが、あんな掘ったらそら山の形もなくなるわ、というもの。

金山からバスで降り、佐渡奉行所跡と北沢浮遊選鉱場へ。佐渡奉行所は、跡地に建物を再現しただけなので、当時の雰囲気を感じるにとどめるだけだけど、場所的に丁度相川の町を見下ろすことができるので、佐渡の海も含めて眺めを楽しむことができる。

北沢浮遊選鉱場は、本当にここで何が行われていたのかわからないぐらいすごい。これを見るためだけで佐渡に来た価値があるというもの。

 

山の斜面にここぞとばかり埋め尽くされた選鉱場は、人ならざるものが住まうマンションのようだし、川を挟んで建つシックナーは工業的用途とは思えない壮麗さがあり、もうどれだけ写真を撮っても飽きなかった。

帰りの乗り換えはこんな感じ。 1本目がやはり相川循環のバス。なかなか奇跡的な乗り換えである。

バス平日時刻表

時間を作ることが出来たので、佐渡汽船乗り場から歩いて万代ピアにある回転寿司弁慶へ行ってみるものの、待ち時間45分ということであきらめる。代わりに屋台で売っていたほたての醤油焼きとのどぐろの塩焼きを食べる。ほたては普通だったけど、のどぐろは脂がのっていて美味しかったです。

新潟から特急で鶴岡へ。着くのは夜になりそうなのと、鶴岡は食べるところがなさそうに思えたので、新潟の有名な駅弁である、新発田三新軒のえび千両ちらしを買う。薄くきった玉子焼きの下に、えびうなぎいかこはだと敷かれていて、甘さとしょっぱさが素晴らしいバランス。

あつみ温泉のあたりで、丁度日本海に日が沈むタイミングに。醤油で煮た卵の黄身のように赤く丸い太陽が、水平線に接して浮いていたと思うと、数秒で姿が見えなくなる。なかなか得がたいものを見ることができました。