ニコニコ動画分析研究発表会

参加してきました。とりあえず、発表内容とQ&Aを。

てってってーP「アイドルマスター データマスターSP(仮)」

データマスターシリーズなど、ランキングデータ集計自動化のためのアイドルマスタータグ全データ取得について。

  • 桃月Pは朝4時に起き、5時に取得というのを毎日やっていたらしいorz
  • タグ検索で問題になるのはアクセス制限に引っかかること
  • APIからの詳細データ取得。再生動画ページから削除理由取得。
  • 現在投稿数は一日100件。月末火曜日DLC配信後は200件程度

Q. 一番たくさん動画をあげている人は何本くらい? (ただただしさん、ありがとうございます)
A. 800本以上。でもクマがうたっているだけかも
Q. 集計システムim@s以外でも使える?
A. Yes
Q. 一番投稿数が少ない日は?
A. 去年年末メンテで上げられないときがすくなかった。2-30本。

そうそう、プレゼン資料にはないですが、本当のデータ取得方法は下のスライドの通りですのでw

ksasao氏(ミクミンP)「動画投稿数のトレンドからみるコミュニティのライフサイクル (仮)」

タグの動画登録数と個々の動画投稿日に注目しコミュニティ活動モデルを検証。

  • パターンは2つ。
  • ゆっくり増えていくパターン(歌ってみた、アイドルマスター、東方、ニコニコ技術部)ではやがて定常状態に入り、ゆるやかに減少。
  • 突然始まるパターン(ウマウマ、鏡音リンチーターマンetc)では、はじめの1ヶ月で大きな山が終わる。その後安定状態に。
  • 定常状態では新たなイベントがあっても長期的にもてコミュニティ規模は大きくなっていない(例:Vocaroidのリン・レン、アイマスL4U
  • コミュニティの細かい活動もそれぞれ違う。初音ミクタグ、日曜が多い。

Q. 権利者削除などでコミュニティの方針転換などが傾向として見えたりするか?
A. 権利者削除はコミュニティにそれほど影響はないみたい。例えばひぐらし。アップしたのが監視にひっかかってすぐに消されるというのはあるみたい。3ページのグラフを作ったとき1分単位でランキングが大きく変動するのが見られた。
Q. 初動の段階で、ゆっくりか突然か見分けることができるか。
A. 最初のピークが立つのは1週間。そこから上るか降りるかで分かれる。
コンテンツの特徴として、発展性・アレンジしがいがないとゆっくり増えていくパターンにはならない。
C. 昔からあるようキーボードクラッシャーがニコニコでも盛り上がったようにユーザが入れ替わったとき、昔のコンテンツがリバイバルするのかもしれない。長いスパンでの分析を見てみたい。
A. 現在のニコニコではコミュニティが消滅するところまで達していない。どうなるのか興味がある。例えばアイマスはこれからどうなるのか
Q. グラフを見るとムービーメーカーが動画投稿数の押し上げに寄与していない。ムービーメーカーは裾野を広げるのに役立っていないということか。
A. その通りだと思う。まだ敷居が高いということかもしれない。
Q. カテゴリーごとのムービーメーカー利用率の違いは?
A. データを比較したことはないが、当然異なってくる。作業用BGMでは静止画で十分だったりとか。

グニャラ「χ2乗値を関連度としたニコニコ動画タグ関連ネットワークの解析」

同一コンテンツにつけられたタグからタグ関連度を計算。グラフは色々面白かった。覚えているのは、

Q. コミュニティの表記ぶれ、まとめていったあとでマップ化すると変わる?
A. マップ化する前に少し加工している。元論文だと2つのクラスタを統合
しているがそれだときたなくなる
Q. データ集計したのはいつ? 個人的にののワさんが上位1000件に入っていないのが寂しい
A. 私も寂しい。とったのは昨日朝
C. 最近実況プレイの登録数の伸びがすごい

日本野望の会 広木大地「ニコニコ格差社会~自ニ係数という思いつき~」

動画コメントのジニ係数を計算。計算したのは結構前なので今と少し違うかも。ジニ係数の低い動画にアイマスが並んでいたり。

AOI_CAT(わたなべしゅういち)「動画情報データベースの取得と公開(仮)」

タグ検索で取得。30秒に1回と間隔をあけ制限にひっかからないように。

伊藤 聖修「ニコニコ動画におけるタグ間の階層性の解析」

タグの共起度から深さ優先探索で木を生成。春香タグがカテゴリタグの親タグになっている。曲名は親になりにくい。

myrmecoleon「ニコニコ動画におけるタグ別動画群の総再生数推定の方法について」

タグ人気を全動画の総再生数で評価したい。再生数の分布は対数正規分布と仮定。動画数がそれなりにあれば5%程度の誤差で推定可能。

濱野智史「ニコニコ動画のタグに関するアーキテクチャ分析:folksonomyからfluxonomyへ」

タグの自然淘汰は、folksonomyというより別の形。量子状態観測のようなのでfluxonomyと名づけてみる。

濱崎雅弘「ニコニコ動画上の初音ミク動画間の引用関係を見てみた」
  • ユリイカ初音ミク本で、初音ミクタグのコンテンツは減っていると書いた。ksasao氏の発表に、初音ミクタグの動画再生数は定常状態にある、とあったが、再生数3000を越えている動画だけを見ると減っている、ということ。
  • socioriumによるデモ。最初otomaniaさんのところにイラストが集まって最大系列のコミュができる、それがみっくみくが出てきて、そちらにコミュも吸収されたり、とか。

Q. socioriumで一つの動画の中のタグの変化も分析できる?
A. コミュの移動などがあるとき、タグも変わっている、というデータがあれば可能
Q. 海外の学会で同じ内容で発表した、ということだけど、同じようなことをYouTubeで調べている人は海外にいた?
A. 参加した学会は、インタラクティブテレビ関連の学会。YouTubeには作者性はない。ある作品を面白いと思っても、それを踏襲する、というのはない。海外ではWikipediaの編集のインタラクションの研究が人気、記入者の信頼性など。
Q. カテゴリーの中にunknownがとても多い。その中で面白い構造は見られる?
A. ニッチなマニアックなものが色々ある。現在はメインストリームのコミュの流れ
の研究をしている。引用をディープに応答しているものだとコミュニティにはならない
C. socioriumのデモ、「ミックバン」などの命名がUStreamに流れていた。このデモをニコニコにうぷしてみては。