テレビ進化論 (講談社現代新書 1938)

「テレビの次」についてはよく行われている議論なのでそれ以外の部分について簡単にメモ


五社協定

テレビと映画を分けたもの
・各家庭にスクリーンがある
・無料放送である

東宝
コンテンツ制作から撤退し、製作にまわるようになった(配給)
コンテンツに安く参入し、配分権(収益の分配)を手に入れる

「芸能界」
芸能プロダクション
俳優をコンテンツ化

角川
映画やアルバムは、そこから付随する書籍などの売り上げのため

面白いコンテンツを生み出すための3つの必要条件
・十分な製作資金
→ 製作にみあった金銭収入が保証できないと作れない→著作権
・有能な人材
・自由な創作環境
 実験市場:テレビの深夜枠
 実験市場が機能するには、市場と挑戦者のマッチングが効率的でないと

なぜ人材がテレビ産業に集まるか
 ブランド力
  実績に裏付けられた消費者の信頼
  情報独占による信頼創出

iTune Storeの教訓
・特別なソフトを使わないとアクセスできず、有料で、DRMがかかっている音楽コンテンツの配信が一定以上の成功をおさめた
海賊版の誘惑を超える利便を消費者に提供することでしか問題は解決しない

アクトビラJoostもその流れ

「画面が汚れる」:テレビにテレビ番組以外の映像が流れること
現在はそうなっている。タイムシフト
番組編成も有名無実に

YouTube
テレビ局は温かい反応
一方で芸能プロダクションは冷淡。アイコラなどコンテンツ改変を抑制できないから

マイ・チャンネル
「デフォルト」の座を確保すれば収益化も可能
3つのチャンネルの種類
・デフォルト
・リクエスト
・リコメンデッド:マイチャンネル事業者が選んだ番組
リコメンデッドは収益源になりうる

投資資金を増やすには
テレビの場合
 収益機会が最初の放送ぐらいなバラエティへの投資は敬遠
 大型テレビドラマに投資資金が流入するのはテレビ局が敬遠
マイチャンネルでロングテールを拾えるようになっても、最後は映像産業の市場規模をどう拡大するかという問題がある
 VoDは成功しない
 広告費は頭打ち
 じゃ海外?

「次のテレビ」の課題
 インフラ事業者は儲からない
 最大のプレイヤーであるテレビ局自体にも経営圧迫

ギョーカイの課題
・ギョーカイ外との関係性の確立
・新しいコンテンツ流通の慣行を確立
・人材の受け皿:終身雇用ではうまく立ち行かない

流通力の再編
アイポールパス
 コンテンツの関係性を演出