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電脳コイル「メガネを捨てる子供たち」

レビュー

こういう緩急でいうと緩にあたるインターミッションは基本的に好きなんですよ。深夜に目が覚め、思考をさ迷わせるヤサコのシーンが本当によかった。こういう登場人物が決断に至るシーンは大好き。最初に、リアルだけ触れられるものだけ信じればいいんだ、と一旦吹っ切ろうしてから、リアルと電脳の世界とどっちが本当なのか思いをめぐらせ、それからデンスケを失ったこの悲しみが本物だ、と決心にいたるプロセスも共感できる。「秒速5センチメートル」のレビューでも書いたけど、リアルにもそれを精巧に模した仮想空間にも本物はなくって、心の奥に積み重ねてきたものにこそコミットできるものがある。これってまぁ当たり前つーか普通に描かれてきたことだんだけど、ティプトリーの「接続された女」から「マトリックス」「攻殻」に至るサイバーパンクでも、超臨場やSecondLifeなどのメディア技術でも、この心の形がつくるリアリティは描かれてこなかったわけで。
一人金沢に旅立ち真相をさぐるヤサコ、という展開にもwktkですよ。