ブレストいらね

これまでブレインストーミングで、感心するような意見・生産的な意見を聞いたことがない。ひとつのことに問題意識を持ってずっと考える方が建設的な意見が出る。ブレストがうまくいかないのは、参加者の問題意識が一致していないからだ。ネットがない頃なら異なる人の視点を突き詰めることで課題を明らかにできる、という効果もあったんだろうけど、今やネットを見て思考を吟味した方がずっと能率的だ。特に会社だと組織に引きずられて硬直した思考しか出てこないし。日本人はゼロベースでの思考が出来ないから。
でもある層には確実にブレスト原理主義が埋めこめられている。問題があったらとりあえずブレストしよう、みたいな。でも大体意見はでない。中庸な意見、リスクをあげるだけの意見ばかり。結局ブレストは儀式になっている。このブレストに参加した人は出てきた結論に合意する、というのを確認するための。意思決定のプロトコルでしかなく、意思をブラッシュアップする場所でない。そして問題提起者だけに負荷がかかる。問題をとりまとめ解決策を提示し、ブレストでいくつかのいちゃもんをとりまとめた上で、表面的にそれを織り込みながら結局自分で解決策を実行する。

上に書いたように対話の意義が変化しているのなら、合議の方法論も変わっていかないといけないと思う。少なくともオフラインに意見を出し徹底的に吟味する方が生産的だ。対話の役割は、最後の意思決定のためのプロトコルに特化した方がいい。