第6回FBS:「Feed 再考」 / Sun藤井氏、グルコース大向氏、サイボウズ奥氏


feedの現状
feedの定義は何?
大向:
コンテンツの書き方に対する標準化。かつてはサイトの概要を記述したものだった。
今はコンテンツをいかに機械可読できる状態で書くフォーマット
奥:
機械可読である、閲覧がページ単位でなくオーダー的な情報を提供するもの
藤井:
機械可読、XML、人のために作られているものではない
言ってみたらデータのAPIみたいな物だと思う。単なるサイトサマリを越えている
大向:
記事を集めて読むけど、どこのサイトのものか気にすることはもうない。
藤井:
どのぐらい何を読んでいる?

100個ぐらい、特定のタグ、ホットエントリーを読む
藤井:
RSSのフォーマット自体は単なる箱でしかない。技術的にはサマリに限定されるものではない。

フィードの現状と課題
フィード自体は氾濫している。本質的に何も変化していない
奥:
フィードが出す人がふえて裾野が広まった分、コンテンツの質が低下している。
また、RSSが広まっていった、広告目的のブログやフィードが増えている。
電子メールのときと同じことが起きている。フィルタリングをどう行うかが焦点が移りつつある
大向:
フィードがやっているのはコンテンツをきれいな形で書く、というもの。
それ自体に変化がとくにない。たくさん読むようになっただけ。フィルタリングについては
Web検索のレベルには全く達していない。
奥:
同じ感触を持っている。ユーザがどうやって欲しい情報を拾い出すかというと、今はマニュアル。
例えばYAPC Asiaの感想、プレゼン資料、をブログに載せるときは同じタグを使おうというルールを
決めた。タグがついた情報をRSSで読む。コミュニティの力を借りてマニュアルで情報を集める。
丁度Yahooの検索エンジンがやったのと同じモデル。
そこからGoogleが出てきたように機械が自動的に集約するように将来なるかもしれない。
藤井:
これまでの普及の形態から学べるものが結構ある。タグ付けでディレクトリもしくはサーチエンジン
というアナロジーはあてはめえる。
他の課題は?
フォーマットやWebAPIとのからみは一つの課題だと思う
大向:
WebAPIとフィードはどう違う? 本質的に違いはないと考える。
フィードって5種類ぐらいあって大変じゃない、とよく聞かれる。開発者側からは気にしていない。
それを吸収するようなライブラリは整理されている。
問題はWebAPI。1サービスごとに一つの規格。新しいサービスがでると、別のI/O。
それぞれ対応しないといけなくなっている。

フィードをどう活用するか
Yahoo Pipes。他には?
奥:
PlaggerRSSなどをとってきて、エントリー一覧に内部変換して、またRSSやメールで送る。Perlで書いている。
Google検索エンジンのパーソナライズサービスを経由して、検索エンジンRSSで。
大向:
Yahoo Pipesの説明。画面でパーツを結んでいって、あてはめるようにRSS加工のプログラムを
ビジュアル的にできる
藤井:
そのほかの活用としてモニタリング
大向:
キーワードの定点観測。サイトでなく、キーワードを指定して、検索エンジンに聞いた結果のページをRSSで送る。
藤井:
既存のITインフラにフォードを使うというのもある。
大向:
既存のをいかに置き換えていくかとうのは面白い。グルコースでも、メーリングリストRSSベースで置き換える、というのをやっている。添付ファイルは別のアーカイブに入れておく。RSSにはファイルのURLを書いておく。
奥:
NetNews、先月末で京大のfjサーバが止まった。終わった。
NetNewsプロトコルがhttpで置き換えられたか、というとフィードが出来たから。
藤井:
メールでなければいけない、というものもフィードを使うことでそぎ落とせるというのがある。そこで他
との活用が広がっていく可能性が広がる。
RSS,Atomをサマリととらえず、WebAPIの標準フォーマットの一種ととらえると活用が広がる。リクルート
共同で、Mashup Awardコンテスト。
RSSを使ってマッシュアップ。こういうのはメールではできない。

活用事例
大向:
記事リストはRSSだけでなく、googleのとか、も模せられる。
さらにリストに対して、すべてブックマークとかdel.scio.usのランキングをとってくる。
それでリスティングすると、googleのランキングと違ったりして面白い
グルコースナノ
Widgetのソフト、今見ているページが他の人からどう評価されているかをポップアップで出す。
ページの広がりを表現できる。
グルコース
firefoxプラグイン
右上の検索窓で検索すると、あらゆる検索ソースの結果をリストで出す。あらゆる情報を出してから、
あとで自分で絞り込んでいく。
藤井:
確かに、googleの1ページ目って想像の範囲内だったりする。検索結果をマッシュアップするグルコース3は、
検索サービスへの挑戦になっている。

feedの今後
・WebAPIとしてのfeed
Mash up
・feed format microformats
・programable web
・semantic, meta data

奥:
フィードは、擬似プッシュサービスの最大公約数だと思っている。
NetNewsとかメールは、伝送手段と目的が完全に結びついていたので使い方が限定されていた。
feedはXMLであるだけなので、非常に拡張可能性が高い

大向:
今後フィードがリアルタイム化していくのかなと思っている。情報をためるためでなく、
身近なおしゃべりをするため。twitter。かつデータはたまっていって再利用できたりする。
そのためにフィードがリアルタイムコミュニケーションに使えるようになっている。
奥:
Wikipediaでの、ピラニア効果。IRCで監視。
JapanizeIRCではなくRSSで実装している。

藤井:
あとはプログラマブル
Atomとしてフォーマットだけでなくプロトコル
プッシュして加えたりデリートしたり。
コンテンツをネットで流通させるための最大公約数。
普通、ネットサービスで最大公約数的出てきているfeedはすごい。普通の標準化ではすごく時間がかかる。