第6回FBS:「メディアイノベーションとマーケティング」 / 前刀氏

  • インフラを維持するだけの資金がないベンチャーは、一気に成長させ、大手企業に買ってもらうしかない。成長スピードは大事。ずっと低空飛行したものがあるとき大きくなることはない。
  • 技術イノベーションは色々出ているが、ビジネスモデルについては広告収益しか出てきていない。イノベーションが起きていない
  • やっぱり、なるほど、ずっとを、ぐるぐる回していくことがビジネスを展開していく上で重要


Innovation と marketing
ネットビジネスのキーワードは?
IT, ICT, New Media, Multimedia, Internet, Web2.0
言葉も大切だけど本質的なビジネスのアプローチを考えてみては

世界中で使われる言葉で日本語が一位 37%
光の普及 3割突破
ネット人口 6年で48倍、総利用時間12倍

成功する会社はそんなにたくさんない
Yahooは総利用時間24倍になっている

動画もYahoo, Gyao, Biglobeとかはそんなに伸びていない

YouTubeは。。。
Googleに買収
MySpaceはNews Co.に買収

ずっと資金が潤沢にまわることはない。ビジネスモデルに課題もある。
MySpaceはSBが日本で。でも日本にはMixi

ベンチャーキャピタルゲインを得て資金を得て回していく。
そこに行く前に、キャッシュがなくなる前にインフラが負担になる。
ベンチャーではそこまでできない

一気に育てて買ってもらう。
成長スピード、ずっと低空飛行したものがあるとき大きくなることはない。
登場したときに一気に大きくするしかない。
スケール。
いくら伸びても、結果的に大きくならなければよくない。
そこそこの規模がないとどんなにユニークでも成功しない。
例:
GMOのモバゲー2年で400万人
Mixi

ブロードバンド接続のシェア
SB 20%, NTT 18%, KDDI 7%, ぷらら7%, Biglobe 6%, Nifty 6%

Business Innovation
従来からどう変わったか。
AIDMA -> RSAES
その上でどういうビジネスをするのか。

掲示板、ブログ、SNSなどのCGM
その上の手法は変わってきている。
しかしビジネスモデルは、どれも広告で変わらない
どこも広告収入がとれるわけではない。
スピードと規模がないとだめ
ビジネスモデルについてはイノベーションが起きていない

電通系のCCIも下方修正。
ネット広告市場の成長性は?
広告収入だけに依存しない収益源の確保が必要

日本のネットベンチャーは世界に通用するか?
いろんなベンチャーをみてきて、100%日本オリジナルなのは少ない。
もともとアメリカにあったものの焼き直しばかり。

ここから先がいつも講演で話す部分。
Customer Equity
各企業が追求すべき指標としての顧客の生涯価値
3つで構成
・Brand Equity
 感情的・主観的価値
・Value Equity
 客観的・合理的価値
○ Retention Equity
顧客維持プログラムやリレーションシップ構築から生まれる価値

会社も個人も常にこういう観点から評価される。そこで力をつける必要がある。

会社の中でコミュニケーションしたときわかりにくいと言われて言いかえ
ブランドは 「やっぱり! 〜」
バリューは 「なるほど! 〜」
リテンションは 「ずっと! 〜」

やっぱり、なるほど、ずっとを、ぐるぐる回していくことがビジネスを展開していく上で重要

iPodの場合
アップルはもともとコンセプトとしてデジタルライフスタイルのNo1を目指していた。
社内的にはiPodなどハードへの展開は珍しいことではない。ある意味自然。

1. やっぱりiPod!
ポータブルミュージックプレイヤーの代名詞
これまでパッケージメディアをベースにしていたところに、HDDをいれミュージックライフをすべて持ち運ぶという新しい価値を持ち出した。
でてきたのは2001年11月。5年半で1億台。
2004年に入ったとき、日本市場では全然売れていなかった。
リモコンに液晶がないからダメだとか言っていた。
デジタルミュージックプレイヤー、すぐれたIFを売っていくということを主張した。
ライバルばMDだった。
グッバイMDというコンセプトでいく。

2004/7/22,「デジタルミュージック革命へようこそ」という発表会をやった
iPodミニを発表
基点を置いたのは技術ではなく、5色展開。
それをコミュニケーションしていくためにそれぞれの色のライフスタイルを提案しプロモート。iPod.com/pink, goldなどのURLをあてて。
とくに女性にうけた。2004/7/24の発売日、大行列。

インパクトのあるスタートを切れ、日本におけるアップルの大きなターニングポイントとなった。

マーケティング:
ずっと低迷していたなかでインパクト,Momentumを作る。
大きなDemandを創出。アクセサリなど
Desireを創出。

Momentum Building: 表参道ヒルズなどをジャックして広告展開

なるほど!iPod
デジタルミュージックソリューション
iPod, iTunes, iTMS
ハード、ソフト、サービスの垂直統合
シームレスなアプローチに他社がついていけなかった
音楽を持ち出すという新しい楽しみ方
感性に訴えるデザイン、利用の楽しさなど、昨日や性能とは違う新しい商品価値。

ずっと!iPod
これからは海外で持っているAppleの強さ
iTMS
デジタルミュージックからデジタルコンテンツに展開(Movie, Game, TV Show, podcast..)
iTV: これをリビングで楽しむ

航空機座席モニターでiPodの動画再生
ユナイテッドなど6社で。2007年度中ばに。

iPodをどこにでも持ち出せるように。
去年のiPod NanoのCM=iPodをあちこちに動かしていくということ?

iPhone

iPodはプレイヤーという新しいカテゴリをつくってポーションをとった
これを電話で展開していくと、10億台の1%でもとれば1000万台。
ポータブルミュージックプレイヤーの市場の6−7割をとっている。
iPhoneで莫大な市場の中で1%とるだけで、すべてのパソコン市場におけるMacの市場にならぶ

AOL:
Mission
To build global medium as central to people's lives as the...

AOL Onlineの話
生活ナビゲーション。その中で買う機会を作る。
別の目的にいるところにバナー広告を貼ってもどれだけ価値があるのか。

効果測定ができる
出す人にとっては都合がいい。
運営しているメディアにとっては分の悪い広告ビジネス

テレビCMは効果測定ができない。なので、まだお金が流れている。
あと、無理やり見せられる

AOLの話に戻る。
AOLは徹底したオンラインサービスの利便性を追求していた。
"Convinience is King"

ところでコンビニ
若者向けのが鈍化→高齢化対応
そのために、休憩スペースを作る、和菓子、大きな文字の値札など。。
利便性を付加することで人がきやすくなる。
それと同じこと。

iPod,iTunes,iTVワンセグ携帯、VOD、地デジ&大画面TV、HD DVD&Blue-ray
メディアの接点となる技術は色々ある。
どれが本当に便利なのか、求められている価値を提供しているのか考えないと。
技術の開発だけではうまくいかない。

ネットのサービスはみんな"nice to have"。あったらいいな。なくても困らない。それは普及しない。
そうではなくて"compelling"。なくてはいけないもの。

あくまでConsumersのためのもの、技術ではなく。
ユーザにとっての価値は何なのか考えないといけない。

新しいShuffle
いつでもどこでも持ち運べる。身に着ける。という価値。

それを考え抜く中で必要なのは、信念、執念。
Stive JobsのStanford大でのメッセージ

SONYの社是
他者の追随を絶対許さざる境地に独自なる製品化を行う。
心の琴線に触れるものづくり

Walt Disney
ゲートを出た後に店がある。商魂たくましい?
帰らなきゃいけないときに思い出を持って帰る、価値観を高めるためのサービス
「夢を見ることができるならばそれを実現することができる」

「秘密はなにもない。常に前進する、好奇心を持って」

キーワード:
明日の自分には無限の可能性がある。
自分に限界を設けない。