YouTubeとAppleとGoogleの共通項

先日、会社で梅田氏の講演会があった。ある人がYouTubeGoogle Videoとの違いは何なのか訊いた。梅田氏は、Googleがもはや巨大企業でありエスタブリッシュな存在になっている、と言い、加えてYouTubeの使い勝手のよさをあげた。
使い勝手のよさはAppleについて語るときに重要なキーワードである。スティーブ・ジョブズの発言を追うと、ブランド、シンプルさ、デザインという言葉が何度も出てくる。Googleについても同様である。シンプルさとレスポンスの速さがGoogleのphilosophyである。
いずれの企業も、競争の激しい市場の中で、使い勝手のよさ、シンプルさ、レスポンスをブランド確立に結びつけ、圧倒的なシェアを誇っている。

彼らはいずれも、ユーザとコンピュータとのインタラクションを重視している。
システムが集約するものは理解のプロセス - END_OF_SCANに述べたように、そこでは被投性とブレイクダウンの迅速な解消が必要である。重要なのは、ユーザが見たい聴きたい知りたいと思った瞬間に適切な情報を返すこと、そのプロセスがシンプルで直観的であることである。テレビからネットヘ、メディアの変遷 - END_OF_SCAN認知とコンピュータサイエンスの変遷 - END_OF_SCANで述べたように、ユーザ=視聴者の行動がこれまでの受動的なものから、インタラクションと共有を重視する形に変わっている今、ブレイクダウンの迅速な解消を保証すること、アンビエンスを実現することは、ネットのこちら側が想像する以上にユーザ=視聴者の体験を左右する重要な要素である。

実際、3つの企業は、これらを実現するインターフェースを持ち、ユーザにアンビエンスを提供する。保証されたアンビエンスは信頼関係を生み、ブランドを形作る。

新しいコンピュータデザイン、新しいコンテンツアクセスに気づいていないものは、彼らの表面をなぞる。多くの場合、彼らにはアンビエンスの概念が欠けている。