ユーザ=視聴者がメディアであることの本当の意味

視聴者はコンテンツを受容し分節化し新たに付与された意味を含めた形で伝播する。この処理はメディアの意義そのものである。すなわち視聴者がメディア(媒介者)になっている。
ユーザ=視聴者の中でも、ネット上での表現を進んで行う先進的なユーザは、メディアとしてのインターネットの意義を深く認識している。はてなブックマークとダイアリーを見る限り、メディア、とくに放送と通信の関係やネットでのコンテンツのあり方についての情報や意見は高い注意を払われている。彼らはWeb技術とメディアの意義を熟知している。過去のメディアと現在の自分たちの振る舞いの違いを意識した上で、情報を切り出してみせる。
ユーザ=メディアという表現はこれまでもなされている。ダン・ギルモアは”We the Media”という本を著している。ブログやSNSなどの記事を新しいコンテンツとみなす考え方をConsumer Generated Media (CGM)と呼ぶ。重要なのは、表現する行為と表現する内容は切り離せないということである。”We the Media”は前者にのみ注目し、CGMは後者にのみ注目している。システムが集約するものは理解のプロセスに記した「被投性」と「ブレイクダウン」の概念を考慮しなければならない。