RENT

面白えー。ミュージカルファンはとにかく見ておけ。

外れ曲なしなんだよねー。上で取り上げた"Seasons of Love"が流れてきただけでぐっとくる。ロックロックしているロジャーの曲はかっこいいし、ミミの"Will you light my candle?"はエロカワイイし、ライフサポートで歌う"No day but today"も聴いてて泣きそうになる。

以下は、舞台と比較しての感想。マニア向けです。
まず最初が超笑える。ディープパープル調に「去年の家賃払えねー」と歌う冒頭は、映像化して大変なことに。全体にアンサンブルがとてもいい。特に、ミミに迫られながらヘタレるロジャーのところが動きがあってとてもいい。曲も二人の心情を踏まえて激しく切り替わるのが演出によってさらに力を増している。あと、「千のキスをしてくれればいい」とうほっな愛を語り合うところは映画っぽいレイアウトですごくカッコいい。

舞台では曲も細かく聴けなかったところを映画で確認できたところもある。ミミが一旦逝っちゃうシーンで初めて、ロジャーの作曲したギター曲が流れるんだねー(二度前振りはあるが)。あのアルペジオは大好きなのでちょっとびっくり。あと最後の"No day but today"のリプライズは"Without you"とのアンサンブルになっている。

最後の演出で、この映画は舞台を越えていると思った。それはミミが復帰した後マークが自分の映画を映すところ。舞台ではマークは最初は存在感あるけど最後では空気になっちゃってる。他はみんなカップルなのに(一組はレズ、一組はゲイだが)、マークだけ一人身でテラカワイソスだし。映画ではマークが、自分の友人たち、そしてNYを見つめ、"No day but today"なものを見つけフィルムに留める役目を担っている。それが最後のラッシュで伝わってくる。あの瞬間に"RENT"という作品が観客の元に返される。きっと舞台でも同じ流れだったんだろうけど、映画ではロジャーの曲とマークの映画が等価になっている。

減点は、ロジャーとマークの"speeeeeek"が普通に留守電になっててつまらないところ、だけ。