チープ革命とネット恐慌

ライブドアの話と宮崎被告への判決にみるziprocker氏のエントリー

だって、投資って全部リスクだろ。リスクを増やしてどうするんだよ。国民みんな必死になってリスクを増やして、さらにそれが悪循環していってるのが今の世の中なのに・・・・

PS Mクンが死刑判決くらったのも大ショック。これはそのうちに日記を書きます。89年ではなく、06年が彼を死刑にする。それがこの新しく起こった事件。

確かに、どちらの事件を見ても、勝ち馬に乗りたいがために考えなければいけないことから目を背けている様が薄ら寒いし、そうすることを世の中の空気が全肯定している状態がファシスト的で怖い。Mクンの死刑は当然と首相が言うってのはどうかしていると思う。

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これまであげた引用はどれも、チェック機構が働かず破綻している例です。
そしてこれからも、権利の側だけでなく至るところで、勝ち馬に人が集まる→チェック機構が働くなる→自壊、という事件が増えるでしょうね。チープ革命により、立ち上がりから自壊までのスパンはどんどん短くなり、自壊する直前のシステムの肥大率はどんどん大きくなる。他者が乗り込んで荒れるよりもずっとfatalです。

テーゼ:チープ革命は恐慌状態を助長する

そして、少なくとも日本の場合、チープ革命によってもたらさせるのは、代謝を繰り返して健全に成長する世界より、その前に恐慌状態に陥る世界の方がずっと多い。なぜなら、アテンションエコノミーは、他者をつなげるより同胞をつなげるのに強く働くから。結果、システムの行動原理は狂躁的・小市民的になる。どの場合も中にいる人は、勝ち馬に乗ろうとすることで、欠如から目をそむけている。思考や判断能力が脱臼しているのに技術が行動を可能にしてしまう。成長はがん細胞のようだし、恐慌状態はアポトーシスのようです。

複数の恐慌状態が雪崩式に起きたとき何が起きるのか。これまでではありえなかったような現象が起きると思う。おそらくそれこそが、チープ革命が真に齎すものなのでしょう。それは、梅田さんらが描くような理想主義的な世界よりも、私にはずっとリアリスティックだ。そして面白い。そんな悪魔に対処する知を今の人類は持ち合わせていない。新しいパラダイムがそのとき生まれるんでしょう。

いたるところで起きる恐慌を回避することはできない。それを嘆いたところで、みんなが理性的に行動するわけじゃない。自分のコミュニティが無事ならいいやってのも身勝手だ。