ハンゲームがどうして仮想空間サービスで成功したのか

富士通Habitatとかこれまで仮想空間で成功した例はなかったのに。

アバターの外見の差が、自意識を生む、というのはなるほどと思いました。ポーズを買うというのは新鮮だし、ゲームばかりしている子供に勝つために大人が経験値を倍にするアイテムを買うという現象はすげーと思う。
といって、途切れなくサービスを出せばいいのか、というとあやしいと感じます。他の仮想空間サービスも同じことを考えているだろうに、どうして成功したという話を余り聞かないんだろう。とくに不思議なのは、他の人がカップヌードルの帽子被っていたら、自分は被りたくないと私なら思う。もし自キャラを差別化したいなら。


講演の中で伊藤氏がメッセージを出していたのは、「無理やり歴史を作ってあげる。履歴に価値を。」という部分でした。個人間コミュニケーションの基本は、共有体験です。だがリアルな好みは簡単には切り出しにくいものです。でも、オンラインでの歴史の共有ならば、コミュニケーションしやすいでしょう。何より、足跡つけのような緩やかな繋がりを求める日本固有のネット文化に合っていると思います。
リアルでの生活では小さなインタラクションが絶え間なく発生します。私たちはそれを五感で受け止めています。しかし、オンラインでは、それはできません。身体がないのだから。ならば、体験を作るだけの強い刺激を与えないといけない。そしてそれを記憶させておかないといけない。プロフィールにすべての履歴を残し他の人が見られるようにする、というのは、刺激→反応のインタラクションを共有するための一歩なのでしょう。私の世界と誰かの世界が地続きという共同幻想は、同じインタラクションを感じているから起きるのです。