のまネコ報道にみるネット軽視

ziprockerさんのエントリー「http://d.hatena.ne.jp/ziprocker/20050930
より。

このPVが流れた後、男性番組司会者がとんでもないことを口走ったのである。
「あの猫のキャラクターはかわいいですね」
と、言ったのだ。続けて女性司会者が「すごくかわいいですよね。あのキャラクター」
と、言った。
ありえない。何を言ってるんだ?このボケどもは。何で名前を言わないんだ。

のまネコ商標登録取下げ発表に関する他メディアの記事を見た(GoogleNewsのリスト)。モナーという名前の露出が本当に少ないんですよ。

上述のavexの発表は、私にはこう読めますね。「キャラクタごときで殺人までしかねないカスの2ちゃんねらを、消費者のためにまっとうな商業活動をしているavexが本来考慮する必要はないのだよ。avexは寛大にも2ちゃんねるのために権利を拘束するのをやめてあげるのだ。当然のまネコは売り続ける」。

おおよそ、既存勢力は新しい勢力を、アングラとみなし、境界をはっきりさせ、端に追いやる。その中に存在する差異や行動を意図的に無視する。

たとえば「電車男」に現れる2ちゃんねらを既存メディアは珍奇な存在として扱う。少なくともドラマの「電車男」は、2ちゃんねらを、生活臭がなく、自分自身と自分の願望を部屋に閉じ込め、書き込みでしか自らの存在意義を証明できない存在として描いている。一方、非2ちゃんねらは実社会での交友活動にうつつを抜かし、純朴さを失った存在として描かれている。2ちゃんねらと非2ちゃんねらとは別の人種のようだ。

著作権とかはどうでもいいんですよ。avexがネット文化を蔑視する態度、既存メディアがネットを軽視する態度、ネット利用者を異民族のように扱う態度が、今まさに形となって現れている。そこに私は断絶を見、失望を感じます。

ziprockerさんのエントリーは、のまネコ問題について一番賛成できるものでした。モナーはネットにおいて言語(コンテンツよりももっとコミュニケーションに深く結びついている存在)であり、既存メディアでは決して見られなかった現象である、ということです。言語を商品として消費されるのが嫌だから、2ちゃんねらはかくも強固に戦っているし、それを踏まえていないavexは2ちゃんねらを逆撫でする発言しか出来ない。