陰陽師13

こんなに早く出るとは、こんなに燃え展開とは、こんなハッピーエンドになるとは、想像してなかった。

射覆のあと道満(=母=太母である不死の存在)の差し出した果実を晴明が拒否するところなんて王道すぎるんですが、その後晴明が泣くシーンでがつんときましたよ。その後へたれモードの晴明が道満(ここでは半身の役目か)に会うため冥界下りするところなんてこれぞファンタジーだし、博雅と保憲が都の結界(というか数理的な調和)に干渉するところなんてジャンプばりの燃え展開だし。破壊と再生をこれだけ描いてもらえれば、最後の豊穣のシーンも納得できるってもんです。作品全体であえていちゃもんをつけると、晴明の意識の流れをいちいち追ってたところ。おかげで展開も淀んでいたし、晴明も矮小に見える。距離置いて淡々と描いてた方が好み。エジプトとか出さなくても普遍性を表せるのに。

(追記)ネタはすごいがんばっている、しかし物語としては皮相的。これって日本のSFと同じ構造なんですよね。