http://www.tvblog.jp/event09/event.html

ネットと放送の融合の問題は以下のIssueに集約される、と感じました。

  • ネットにふさわしい番組と放送にふさわしい番組の違い
  • 原著作者に対価を還元する仕組み

ソニーの人が多かったそうです。

講演は
・テレビブログ編集長 神田敏晶氏(KandaNewsNetwork,Inc.)
橋本大也氏(メタキャスト)
・久保木準一氏(フジテレビ)
井上大輔氏(メタキャスト)
の順で行われました。このうち、橋本氏の講演についてはご本人のサイトに資料が掲載されております。また、井上氏の講演はメタキャストの取り組みを先行公開する内容でした。ということで神田氏と久保木氏の講演と質疑を以下に。

Caution: 以下は、私が自ら取ったメモをもとに適当に情報を削ってまとめたものです。内容の真偽については保証しかねますのでご留意をば。


<講演>
神田氏:
今のところHDDレコーダ(タイムシフト)が視聴形態に及ぼす影響は少ない。
・まだNetの広告費はテレビの27%
・TiVo Japanはアメリカで起きたほどのインパクトを与えていない

視聴する時間や視聴率でなく、視聴姿勢の変化に期待
・Active MediaなWeb, 本 vs Passive Mediaなテレビ
・Netの口コミ文化, SNS・ブログなど違う親密感を持つコミュニティ

CGMによって変わる視聴形態
・ナローキャスト:携帯/個人のHDDレコーダに直接配信
・自分に似た趣味の人=自分エージェントが編成する番組表
ロケーションフリー


久保木氏:
ネットと放送の違い
・ビジネスとの関わり
ネットの企業は金融とかビジネス面で強い。収益をあげることに長けている。一方、ほとんどの地上波テレビはビジネスを排除した番組作りをしている。
番組(CM除く)は視聴者に情報を提供することを目的にしている(情報の公共性)。
・番組内容
トンガった内容は万人には受けない(ネタの公共性)。本当に面白いネタは危険で放送できない。
三大欲(睡眠欲・食欲・性欲)をテレビは満たさない。

フジテレビのネットへの取り組み
・新しい番組づくり:ネット上の活動をタレントにさせる
例) ブログタイプ、贈来門! しあわせ本舗
・ブロードバンド配信
トレソーラ:実証実験、キャラ、出演費、配分率、権利をクリアするためのコスト、時間がとてもかかる。
コストに見合う収入が得られない。パイがTVとは全然違う。

質疑応答
Q. payTV普及の可能性
A. 可能性が十分ある。住み分けがキモ。ターゲットとコストが放送とは違う。
C. 金を払ってでも出たい芸人はたくさんいる

Q. 著作権、肖像権
A. 肖像権はとくに難しい(例:ジャニーズ)。2ちゃんねるのように全く考慮しないというのは有り得ない。
C. PodCastingでは、pod-safe musicというのがある。ポッドキャスターがどの番組で作ったかをサーバにフィードする。TVでも同じことが出来れば。
C. 誰が管理するのか明確にできない現状では難しい。掲載期間を限定するなど他の措置も考えればあるいは。

Q. ファイル共有の可能性
A. これまでの事例(マンションに共有サーバ、海外居住者への再配信)は全てアウト。理由は誰か損をする人がいるから。
事業者はコンテンツを作った人であるべき。他の人が(二次配信を)するならその対価を事業者に戻す仕組み、
そこから主演者など原著作者に還元する仕組みがないといけない。
C. ロケーションに対して課金という可能性がある。例:ホテルの有料テレビ
C. 同じ問題に対するホリエモンの回答:リモートアクセスで自分のPCに入ってみればいい。


Q. なぜ視聴率にこだわるのか
A. ライブを重視するのは、視聴態度などもあると考えられる
C. CM視聴率がとれればいい?
C. HDDレコーダを使うのはやはり時間節約したいから
(補注:タイムシフトでの視聴はコンテンツに対する注意が低い視聴にならざるを得ない
→視聴率を補完するような有効な指標を決定するのは難しい、ということだろう)