ひかりのまち

最初は、自主映画くずれかよ、とすかして読んでいました。コマわりと演出が極めて普通で驚きがない。キャラのアップでごまかしがちなところや、スケールを感じ取れない(閉塞した街を描きたいようにもとれるし、茫洋とした街を描きたいようにもとれる中途半端な)背景美術など、マンガである必要がないと思ってました。
でも、第4話の"HOME"からがぜん移入して読めるようになってきた。なんとはない閉塞した中で住人たちが自ら生活を壊していく、その果てに何があるのか、というところに話が収斂していく様が心地いい。芳一がルサンチマンぷりを吐露するところとか、単独で見ると微妙なんですがこれまでの積み重ねのおかげでちょっとぐっときたし。最終話も、エヴァっぽくすっとばすのが、これまで延々と描かれてきた歪みを昇華してくれてていい感じ。構成力がとても優れています。