デバイスと映像作品
http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20050629102.html:
「大画面向けか小画面向けかで、絵の作り方が違ってくる。DVD向けに作る場合、クローズアップを多用する傾向が強く、ワイドショットでもそれほどワイドにしない。私自身はそうした様式的な変化を取り入れるつもりはない。だが、現在映画を作っている多くの若者は、劇場映画ではなくテレビやDVDで育ってきたので、それが映画の作り方に反映されているのだ。私は大画面向けの映画を作るほうが好みで、彼らは彼らのやり方でやっていってかまわない」
映像作品は、レンズの焦点深度などデバイスの拘束を逆手にとり、表現の幅を広げていった。技術の進歩は作り手に高品質なデバイスでの制作を強いる。しかし、例えば解像度があがることで、映像表現の技法は損なわれる。
例えば、グランツーリスモ4の映像は綺麗だけど不自然。あるいはNHKのスーパーハイビジョンは、細部は綺麗だが動いている絵で見ると大したことはない。
また、人の立ち位置など、構図はギリシャの舞台劇まで遡る文法に裏打ちされている。高臨場感を引き出すディスプレイを前にこのようなシーンを見ても、何のありがたみもない。
一方で、ユニバーサルコミュニケーションという枠組みで高臨場感が重要な技術にあげられている。
映像の臨場感にも「不気味の谷」が存在するだろう。何より、高臨場感は映像表現、作劇手法などの点で映画業界らに大きな拘束を強いる羽目になる。
ホームビデオで撮ったドキュメンタリー映画がどんどん増えているのを見ても、映像作品のパラダイムは今後どんどん変わっているんだろうな、と思う。
もしハンディカム+ウェアラブルで人がどこでも映像を撮ったり見たりするようになったとき、適当な映像をハリウッド文法で面白い映像に自動編集してくれるツールが出来ると面白いなぁーと思ったりするのです。私にとっては究極のチープ革命の一つですね。
出崎演出だとすぐ出来そうですよね。意味なく三回パンや三回ズームするフィルター。で、太鼓乱打シーンが挿入されたり(結局そこかよ)。