レビュー

スカイ・クロラ

原作読んでないのでちゃんと語れないのだけど、ラスト付近は森博嗣っぽくて好き。水素を支点にして視界が入れ替わるような眩暈感は、実にミステリィで、その一点であの脚本は賞賛に値すると思っていたり。 一方、空中戦はあまり好きじゃない。これまで誰も見…

DMC

遊園地で戦隊もののバイトもやっているファンその1が、「ピンポン」にも出ていた大倉さんでした。アクマつながりかw 熱演してたなぁ。全般にキャストいいですよね。松雪泰子といいローサといい。あと地元の犬飼の映像がすごくきれいなのが印象的。うすく霞…

のだめカンタービレ#21

のだめが男性原理で動いているのが、ちょっといやーな感じなんだけど、面白いからいいや。確かに急展開。真剣に音楽に向き合うって何? ってことだよな。師との関係をこれだけ多角的に描いているのは、さすがブレーンがたくさんいるだけあるなあと思ったり。…

プロフェッショナル 仕事の流儀「宮崎駿」

特に近作に顕著な後半のうざさは、彼が母親を語ろうとしているから、という話でしたw きっと「ポニョ」も、前半の奔放な想像力と後半のコンプレックス全開なストーリーテリングのギャップを言語化できなくて、途方にくれてしまうのだろう。でも、それはまあ…

DMC

映画にはかなり期待しているので、予習としてマンガも読んでみた。3巻以降がなんかつまらなく感じました。毒がなくなっている。根岸くんが自分の中の鬱屈を認識していないからこそ面白いと思うのですよ。ぽろっとやらかしたことがクラウザーさんキタ━(゚∀゚)━!と…

GIANT KILLING 1-6

とりあえず1,2巻を読んで、あまりの神展開になんじゃこりゃーと続きを全て買ったら普通の展開になってたw いやしかし、面白い。id:suikyoさんどもでした。展開にスピード感があるんですよね。少なくとも2巻までは。語るべきことをきっちり語っているのにも…

のぼうの城

公式ページ。 「世界史は論理的で学ぶものも多いけど、日本史は何が面白いのかわからない」とさる方に言われ、「日本史は愛だよなぁ」と思ったけど口に出さなかった、ということがある。「のぼうの城」は、随所に愛が込められていて、にやにやしながら読んで…

おおきく振りかぶって Vol.10

敵の、しかもコールド負けくらうようなキャラたちがこんな晴れやかに単行本の表紙をかざるスポーツマンガってそうないだろw しかし、伏線張り方すごすぎるなぁ。阿部の性格の悪さをこれだけ書いて、最後の1コマで引くところとか。しかしなんと言っても今巻…

スノウ・クラッシュ

メタバースについて語るなら、これを読んどけと言われているらしい。会社にあったので読んでみた。 ミームねた(作中ではミーと書かれててずっとわからなかった)は最近だと「虐殺器官」でも使われたけど、スノウ・クラッシュでは作品を展開させるのにあまり…

のだめカンタービレ20

前巻も面白かったけど、最新刊はもっと面白かった。ブレインの大澤さんや茂木さんがマジですよw 音楽マンガでは表現能力の向上を描くことは避けて通れないのだけど、例えばBECKみたいにほとんどが、ひたすら練習&あと何か神がかり的な才能でまかり通っちゃ…

「裏切りの闇で眠れ」

ストイックさもセンチメンタルさもなく、ただマフィアの内部抗争を描いている。といって銃撃戦ばかりやっているわけではなく、ボスは愛人のためにナイル河ツアーに行こうかと言ってみたりクラブの新人の味見をしてみたり、あるいは主人公の相棒が結婚相手の…

ライラの冒険・黄金の羅針盤

冒頭からのライラが街を駆け回り、大人の陰謀に対して立ち向かう様は実に冒険活劇っぽくて、パヤオアニメで見てみたいなぁと思いながら読んでいた。やがて話の幅が広がり、いろんな設定が出てくると、実にハイファンタジーしてるなぁと思いながら読んでいた…

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

公式サイトはこちらグロい。しかも殺伐としてる。これは万人にはお勧めできない。でも、かなり好き。ミュージカル好きでもともと耐性があるからかも。面白おかしくて、グロくて、切なくて、悲しくて、いろんな感情がないまぜになりながら、心に何かが残る、…

狼と香辛料

ニコのコメントで初めて気づいたが、OP曲の歌い手、Zabaの吉良さんかよ。それにしても背景と美術が神すぎる。第1話は、アニメにするの無理すぎ(ひたすら台詞で設定説明)と思ったんだけど、第2話でキャラの掛け合いが面白いので断然期待。いいなぁ、この…

おおきく振りかぶって9

何がすごいって、コールド勝ちにドラマ性を持たせる野球マンガはこれまでなかっただろう。モモカンじゃなくってもぞくぞくしてしまいますよ。あ、モモカンのぞくぞく要員っぷりも加速しててわろた。 花井のコンプレックスはどうだろう。作品として外せない要…

魍魎の匣

概ねダメだったんだけど書いてみる。

電脳コイル最終話

RPGの終わり方のような展開がずっと気になっている。もう一人の自分、冥界下り、忘れていた過去との邂逅――幻想物語からRPGに受け継がれた神話の構図そのものだ。トラウマになりそうなミヨコさんなんてまんまグレートマザーですよ。ユビキタスでARな世界を描…

「予期される未来」

確かに、2ページしかないのに、ずしんとくる。 読んでて、デネットの「自由は進化する」を思い出した。1分後の未来が完全に決定されたとして、それが生涯にわたって未来が決定することの根拠にはならない。意思があれば自由は自ずと生まれるはずだ。でもわ…

「商人と錬金術師の門」

いや、オチは途中で読めるんです。ただ、話のまとめ方がうまいなぁと。過去と現在が交錯して、リアルを規定する時間がどこにあるのかわからなくなる感じは、テッド・チャンらしい。最後、語り手であるアッバス自身が"教主さま"にとっての"歳月の門"になって…

BECK 31

チバの人をひきつける才能がワールドワイドに、平くんの日本人離れしたファンキーなベースがワールドワイドに、サクのうねりがワールドワイドに、ヘビーなリフがワールドワイドになったアヴァロンでした。あれー? 本チャンのステージでDevil's Wayが描かれ…

電脳コイル「メガネを捨てる子供たち」

こういう緩急でいうと緩にあたるインターミッションは基本的に好きなんですよ。深夜に目が覚め、思考をさ迷わせるヤサコのシーンが本当によかった。こういう登場人物が決断に至るシーンは大好き。最初に、リアルだけ触れられるものだけ信じればいいんだ、と…

さよなら僕の夏

「たんぽぽのお酒」が死ぬほど好きで、超wktkしてページを開いたんだが、何か肌に合わない。比喩も描写もなんか上滑りしている感じ。とても悲しいことだが、きっと今読むべき本ではないんだろう。

のだめカンタービレ19

前巻は実はあまり好きではなかった。千秋の父との確執は冷めて読んでたし、のだめらのあがきっぷりも別にそんな青春グラフィティを読みたいわけじゃないんだがなー、と思ってた。でも最新刊では全然気にならなかった。むしろかなり面白かった。やってること…

ヘルシング[rakuten:hoshinobk:1434915:title=9]

ちびアーカードがいいストロング(ストレートロング)ですよ。いつの間に少佐が人間代表になってますか。部下をみんな吸血鬼にしておきながら。でも彼の言葉には共感するところもある。「俺のものは俺のものだ」というジャイアン宣言も、すがすがしく感じる…

[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ (奇想コレクション)

まだ最初の「帰り道」しか読んでないけど、まさにスタージョン。何かに帰属することの抗しがたい喜びについて描くその粘着っぷりがすげーなー。確かに編者の若島先生の言うように「海を失った男」と共鳴してて、2倍も3倍も楽しめる。ところで"ウィジェット…

「ウェブ時代をゆく」にあって「ウェブ進化論」になかったもの

「ウェブ進化論」やその他、シリコンバレー礼賛本や、ベンチャー礼賛本にはいつも不満を持っていた。jkondoがどんなに型破りでも、Googleがどんなに革新的でもそれは結果でしかない。ダイエットの成功談と変わらない。「ウェブ時代をゆく」の第四章「ロール…

BLACK LAGOON 7 (サンデーGXコミックス)

なんて寸止めっぷり。しかし、あそこでやっちゃってたら死亡フラグ成立だったので、ロック絶妙のかわしっぷりと言わざるをえない。ロックが首を突っ込む動機付けが、やくざの抗争の話でされているところで感心。ヘルシングの婦警もそうだけど、トリックスタ…

エヴァと、ヱヴァ新劇場版・序の違い

二つを比べると、ヱヴァが何を目指しているのか、それによって何が失われるのかがわかる。以下、数多あるエヴァ解説本における白眉「エヴァンゲリオンの夢―使徒進化論の幻影」を引用しながら話をすすめる。

「エヴァンゲリオン」企画書

エヴァと、ヱヴァ新劇場版・序の違い - END_OF_SCANに書いたエヴァの企画書のうち、企画意図とかを順に写していきます。引用の範囲を越えているけどあえて関連する部分は全文載せます。 企画意図 巨大ロボットアニメの魅力とは? 「巨大ロボットアニメ」は、…

狼と香辛料

2巻まで読んだ。一晩寝て、ちょっとわかってきた。 ストーリーテリングだけを見ればやっぱり微妙だと思う。ストーリー展開のバランスが悪いし、キャラの造形がぴりっとこないし、サブキャラがプロットのためだけに存在している。あと何といっても、ホロ変身…